邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

フォアシュピールに行ってきました(2日目)

 フォアシュピール1日目が終わったあとは、森のコマさんのまみさんをナンパしてれんげ食堂で中華食べてキャッキャウフフしてました。こういうの楽しいっすね。お付き合い戴き有難うございます!

 

 で、2日目です。2日目はフル参加です。しかも原宿! タピオカ! もちろんのんだ! 名古屋にもあるけど辰杏珠

 会場の近くで迷ってたらManifest Destinyのお二人と出会う! テストプレイ会で1度お会いしただけだけど覚えられてました! そんだけ!

 会場は既にすごい熱気。入口はQRコード管理なのでややややこしく手間取っていた模様、しかしめちゃくちゃ時間がかかると言うほどでもなくすんなり入場。1階は重めゲー、2階は軽めのゲームとはなっていたものの、全体的には2日目の方がややゲーマーズゲーム寄りかなと思わなくもない感じです。

 実は両日とも、そこまでワードゲームや大喜利が多かったという印象はなかったんですよね。まあスルーしてたのかもしれませんけども(笑)(笑)(笑)。

 では早速、遊んだゲームをば。

遊んだゲーム

ウィルスとロボの七日間(森のコマさん)

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45-1H級協力ゲーム

 ハイパーロボットの要領で何かにぶつかるまで移動し、カードをめくりながハッカーのアジトを見つけてウィルスを無効化するため協力し合う中量級協力ゲーム。ゲーマー向けと言うことで何故か高難易度に! ヒドイ!(笑)

 ウィルスカードをある程度めくらないとハッカーのアジトが見つからないが、ウィルスに感染しすぎると滅亡、しかもどんどんウィルスはリソースを削っていくので、こまめに治療したいが、一度に出来るアクションはとても限られているので、あんまりちまちま治療しているとあっという間に滅亡の憂き目に……。ひどいトラップがいっぱい仕掛けられているので、引っかかると丸一日のアクションを無駄にしたりする地獄が待っております。つらい!

 ミッションは失敗だったものの、判断ミスがなければ割とギリギリクリア出来たかも、と思わせるバランスだったので、協力ゲー好きと再チャレンジはありかな。パンデミックが好きな人は好きだと思います。奉行対策的なところは正直ちょっと分からなかったけど、一応伏せたカードをこっそり見るアクションでは、カードの中身を直で言ってはいけない、などの要素はありました。

 

アニマルシェ(戸塚工房)

 いつも仲良くさせて戴いている戸塚ニキの新作。実は説明書の校正/構成の段階でがっつり関わっているタイトルのため中身はだいたい知っていたのですが、ワカプレそこまで好きでもないとか、ふんわりかわいいイメージに引きずられていたせいか、あんまり期待していませんでした……(ひどいなおい)。

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テストは2人用なので30分強で終わります。

 それがですね。これめちゃくちゃよく出来てるし面白いんですよ。ワカプレ好きカップルとかに超オススメです(いるのかって言われそうだがうちの周りにそういうご夫婦います)。

 めちゃくちゃメカニクス先行なんで、テーマがケモかよ……って言う人もだまされたと思ってやってみて欲しいです。インタラクションはほどよい感じで、直球の妨害要素はあるっちゃあるけどないっちゃないくらいでストレスレスで、かつソロゲー過ぎないほどよさが歯ごたえアリアリのありなので、苦しくないワカプレをお求めの方に全力でオススメしたい! 斬新さとかはあんまり……だけど、すごく手堅く面白いです。もちろん予約したぜゴリラを。ウホ。

 よく、ワカプレデビューゲーに何を選ぶか、みたいなテーマで作られているゲームあるんですが、これは割と最適解という気がします。win-winの関係が優しい世界。

 試遊ではスタプレ固定で相手がずっとスタプレだったので結構きつかったのですが、相手のミスにも助けられてギリギリの辛勝。これ、ええゲームですよ。

 ただ、ワーカーの操作でプレイミスが起こりやすいので要注意。

 

American Bookshop(倦怠期)

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トリックテイキングですぞ!社長!

 何かずっと違和感あったんですが、英語ならAmerican Bookstoreでは?

 それはそれとしてマストフォローの切札なし変則トリテ。通常のマストフォローに加え、プレイ人数によって変わる閾値を超える数が場に出ると(合計)、トリックに勝ってしまいます。各スートの集めた数でトップを取らなかった色が全てマイナスになる上、手札の残りを集めたカードに追加してもいいししなくても良いので、逆転要素もあるめちゃくちゃ変なゲーム。

 これは絶対的に好きな奴なので即予約しました。カードデザインは今ひとつですが別にそこお金かけなくていいよね的な奴だと思うのでそこは別に評価軸じゃないです。これは身内のトリテ好きとめっちゃやりたいやつですね。

 

ねこマジョ(堀場工房)

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エリアマジョリティがとにかく苦手マン

 猫と聞いて(そこじゃねぇし)。得点源のお魚ちゃんを囲んだ中でエリアマジョリティで取り合うやつです。猫はかわいいんだけど1点取って負けました。ほんとこれ系苦手なんや……。

 エリアマジョリティ好きなら、1個の箱で4つぐらいゲームが出来るので買いかも(違ってたらサーセン)。

 

呪術トリック(ろれるり堂)

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 まーたトリテ。変則トリテ。

 マストフォローノートランプ。でかい数字でトリックを取ると呪われる。2呪いまではOKだが(手札が0点になるけど)、3呪いを受けたとたん1ディール終了。呪いはリードカラーをトリックの最小値でフォローすると解ける。トリックを取りつつ呪いを解除、で手札をうまいこと回していくゲーム。

 遊んでみた感じではゲームの勘所がつかめなくてベタオリして点数が稼げずに終わった為、やや消化不良。ルールの仕組み上、リード時には呪いが解けないのだが、この点が完全には理解されていなくて何度もプレイミスを起こしていたため、トリテ不慣れ勢と遊ぶとゲームにならないんじゃないかという予感がする。呪いを解くというアクションをスムーズに行えるための何らかの工夫が必要という印象です。

まーだだよミステリー もういい貝(もんじろう)

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こんなん絶対分からんわ。

 こんなんもうタイトル勝ちじゃん。ずるいわ。

 マーダーミステリーと引っかけただじゃれ。そのだじゃれだけでゲームを一作作ってしまうってのが流石居椿さんだなーと思いました。なお試遊ではアークライト社員勢に囲まれていた模様……。ゲームと言うよりはアクティビティとしてお子さんと遊びたいタイプのゲーム。何なら海に行って貝殻を拾ったらそれを洗って追加してもいいし。

 

タイムパラトリックス(倦怠期)

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タイムパラトリックス(トリがポイント)

 マストフォロートランプ&ビッドアリアリのアリの変則トリテ。過去今未来の3つのトリックを一度にコントロールするというド変態なゲームです。感覚的にはピココとか、手札のないトリテを想起させる。

 個人的にはこういうクソ変態トリテすごい好きなんですけど、出来ればプレイシートは1枚にして欲しかったですね……もし買うならプレイシートは自前で作ろうかな。

 

白詰草の庭(久遠堂)

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絵がかわいい。

 二人用。中身一緒の相手プレイヤーの手札から1枚引いて、自分の手札一枚追加してプレイの大きさ比べ。4を出した時だけ大小の強弱逆転。
 読み合いはこういうのでいいんだよこういうので! 読み合いゲームのお手本。カウンティング出来ると強いけど、結局は引き運の部分もあり、運要素も適度にある。アブストラクトだと一方的になりがちなので、カップル用にボドゲカフェで置いたらいいんじゃないかな。程よく運要素があって重くない2人用ってジャイプルくらいしか知らんし、そういう(ボドゲカフェカップル御用達的な)定番になってもおかしくないと思う。

「この料理を作ったのは誰だ⁉︎」(レアサイトゲームズ)

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食べ物の組み合わせがカオス。

 Twitterでつぶやいた時にはめっちゃタイトル間違えてた。すみません。

 一言で言うとコードブレイカーなんですが、複数人でいるとドッチがどっちか分からなくなって難しい奴だ! 4人プレイとか地獄しかないでしょw

 一応、相手の好みを当てるための料理を作った時にカオスになる笑いも追求しているのだと思うんですが、意外とそんなめちゃくちゃになることは多くないです。

 

 以上、簡単に感想を終わらせて戴きました。

 終わったあとに戸塚さんとタピったze!

 

イベントそのものへの感想

 イベントとしては運営も不満は特になくて楽しかったのですが、正直かなり落選を出してしまった事もあり、地方民としては、今後参加不参加、地方住まい関東住まいという二極化と分断、格差が生まれる可能性への不安を強く感じました。難しいかもしれませんが、落選したサークルや出展出来ないサークルへの何らかのフォローが必要なのでは? と感じています。ご対応戴けたら嬉しいです。

 また、これはサークル側への苦言ですが、明らかに人前に出てはいけない状態で会場にお越しになっているサークル様や、インスト中のトークで、それは言っちゃいけないんじゃないかなって言うことをつるっと言っちゃうサークル様が複数いらっしゃったことは大変残念に思います。それでゲームを買う買わないに影響するかというと、しないという人も、気にする奴がおかしいという人もいるかもしれませんが、私には影響があったのは確かです。お客さんサイドの方で失礼な人にはお会いしていなかったと思いますので、ちょっと考えてみて欲しいです。

フォアシュピールに参加しました。(1日目)

 フォアシュピールに行ってきたのでレポします。

 何で行こうと思ったのか。それは私がゲムマ前日の有休取得を会社から止められたからだ! くそうくそう! というのもあるのですが、イベントおたくでもある私としては、大変盛況であったこのイベントを一目見ておきたかったのです。予算的にもぎりいけましたし、ゲムマ作家勢とゲームをする機会は、年内あるか怪しかったのもあります。

 初めての会場、幡ヶ谷(はたがや)をはりがやとずっと呼んでいたのは内緒だぞ! 場所が住宅街のど真ん中で、めちゃくちゃ分かりづらくて困りすぎました。トラップかよ!

 私はこの手のイベントに参加する時、有名作をチェックしたりはしないことにしています。一期一会を大事にしたいのです。とはいえ、今回1日目は昼から参加が確定しているため、どこまで試遊出来るかな?

 

 あらかじめ言いますと、あんまり褒めていませんので、該当サークルの皆様にはあらかじめごめんなさいと申し上げておきます。でも削除を求められても削除はいたしません。

 

遊んだゲーム

アイスブレイクゲーム「おひとつどうぞ」(橙華堂)

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橙華堂のブース。ジャックとダニエル……貴様、酒好きだな!

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どうぞおひとつ プレイ風景


 アイスブレイク用ふんわりゲーム。内容はほぼ薔薇と髑髏だが、会話が生まれる工夫をいくつも仕掛けている。相手のカードを取る時に必ず名前を呼ばなければならない為、ゲーマーほどしくじる。メカニクスはほぼ流用だが、アイスブレイクとしてはよく考えられている。

 特筆すべき点はぬくもりある手作りコンポーネント(こう言うの、結構好き)と、何より橙華堂の中の人のインストのうまさ。多分フォアシュピール参加者で12を争うインストのうまさじゃないかと感じた。ホストとしてのもてなしの心を十分に感じられる良い体験でした。

KILL BOSS the GAME(つきのふね)

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悪い上司を(物理的に)こらしめろ!

 一時期メディアに取り上げられたせいでやたら流行った社畜ゲー。悪いボスをボコるために協力する。ダイスを振って様々なボーナスを獲得するが、一度出た目が二度出ると上司のハラスメントを受け、ダメージを受ける。どれかの能力が0になると脱落。集めたボーナスをかき集めてボスを物理的に倒すのだ! 物理的に倒しちゃったら手が後ろに回るのでは????

 それはともかくとして、残念ながら状況に対して積極的にコミット出来ないので(頑張ってダイス目がダブるのを覚悟でアイテムを集めるか、諦めてボス戦に備えるかの選択しかない)運ゲー感が否めない上、HPカウンターが明らかにコスト削減でUIがひどい(写真左側)。そこコスト削るところじゃねーから! ネタ自体も流石にコーン送り付けは笑ったけど、やしろあずき先生がかわいそうなのでやめてあげてください。完全に運ゲーなのだけれど、運ゲーなら運ゲーで、バトルで起こった現象が勝手にドラマになるようなネタの仕込みや仕組みが欲しい。

 インストはかなり凝った仕込みをしていてすごい! と思ったが、肝心のゲームのルールが抜け落ちすぎていてゲーム中に説明されたりして、こんなにふんわりしてていいの? と不安になりました……。

 

八人の魔術師(ゲームNOWA

※写真がぶれぶれで使えるレベルではなかったため、テキストのみです。

 ベテランかぶけんさんの2人用ゲームのリメイク。アートワークもたかみまこと氏のヴィジュアルで生まれ変わり、かっこよくなりました。系譜としてはふるよにやブレイドロンドなどの、固定デッキで戦うタイプの対戦ゲームです(ふるよにやブレイドロンドと違って、二人が完全に同じデッキを使うタイプなので「きょうあくなまもの」の方が近いか。やったことないので知らんけど)。

 実はこれ系のTCGの延長的なゲームが全般的にめちゃくちゃ苦手で好きになれない上、2人用ゲームはめったに買わないので、プレイはさせていただいたのですが、見送りはほぼ確定でした。

 こういうゲームは今ブームが来てる感じがあるので、今リメイクしたのは正解と思います。好きな人はめちゃくちゃハマると思います。システムがとても練られてるのは苦手なりによく分かるので。ただ、やはりカードの内訳覚えてからが勝負って言うタイプのゲームですね。

信仰通貨(HLKT工房)

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信仰通貨

 相場ゲーと聞いて(ガタッ)。信仰がテーマなので、クトゥルフスパモン様もいるよ! 最近金融系のゲームにやたら惹かれるのでプレイ。通貨毎に勝利点の計算条件が異なる5種類の通貨をやりとりしてセットコレクションを作るのですが、条件が他プレイヤーの動向にかなり左右されるので、その翻弄され具合をどう評価するかですかね。お金は1種類ずつしか交換出来ない上、交換した枚数で相場が変動するので、売る枚数も重要。

 めちゃくちゃよく出来てる予感はするのだけど、次プレイした時にこうしよう、ああしよう、という指針が立てられる気が全くしない。

カタラ13(Glory's works)

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髑髏のカードがおどろおどろしい雰囲気。なお髑髏を引くと脱落(脱落した)

 少ない枚数の読み合いゲーといえばRED OUTのGrory's works。正直これ系の「少ない枚数で読み合いギャンブル」系はもう手本引きでいいんじゃないか説まであるので(あと2人用買わない勢)興味はなかったのですが、やらずに評価は出来ないのでせっかくだから赤の扉はないけど遊ばせて貰いました。
 カタラ13は1と2と3が4枚ずつ(だっけ?)の髑髏(脱落)と白紙が2枚の、場にあるカードを引いて出た数字の数だけ交互に宝石を取っていき、ちょうどの数字で最後に残った聖杯を取ったら勝ち(超えるとバーストで取れない、脱落)「数字を言っていき、30を言ったら負け」のヴァリエーションですな。

 各プレイヤーに一枚ずつカードを配り、それを引いてもよいんですが、各手番に1回誰かに質問が出来て、YES/NOで答える。髑髏の人は嘘ついてもいい。みたいなルールで情報を追加する感じです。

 正直相手に質問しても相手のカード引かないとほぼ関係ないしなぁ……とか、場に円形に置かれたカードの方が多すぎて情報増えねえし、初手や2番手で髑髏引くと悲しみに包まれるし、絵はかっこいいけど駆け引きの面白さはあんまりないですね。

 もう一つのお金とライフを奪い合う2人用ゲームは、本当に読み合いしかないタイプのゲームでしたが、これライフとお金分ける意味あったかな? 感あり、正直どちらも好みではありませんでした。

 私自身が読み合いゲーって属人性が高すぎる点があまり好みでないので、その点でもあんまり楽しめないですね。読み合いゲーなら、情報の露出による推理の要素が欲しいかな。

空中都市アーレア(くじらだま)

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バーストの瞬間(ちーん)

 空中都市に探検に行く冒険家達のダイスチキンレース。提示した数だけダイスを振り、小さい数だと先にダイスを振れるのでバーストしにくいが、点数は伸びない……みたいなやつです。ダイスゲーム好きなのでチャレンジ。

 振り直ししたりは出来ませんが、罠カードの状況を見ていくつを提示するか、点数的に勝負をするか引くか、などを考えつつ指を出し、そしてサイコロを振ると言うメカニクスはとてもよく出来ています。これは面白い!

 惜しむらくはロゴのフォントがクソ読みづらいことです。カードデザインはスキ。結構盛り上がるタイプのゲームなので、ダイスゲー好きにはオススメしたい。

TRPG脱出ゲームUREG(アレグ)(遊学芸)

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TRPGのテスプも多かったです。

 TRPGライク脱出ゲーを10分でやりませんかというフレーズに惹かれて座ってみる。能力値はないが一応キャラクターカード的なものはある。謎解き自体は対面だと10分どころか5分で終わっちゃうレベルだったが(自分がTRPG10年選手だったのもあるかも)、オンラインなどでルルブ持ってない若い子にTRPG体験をさせる的な使い方としては需要が期待出来ると思う。おそらく、ターゲットとしては「毒入りスープ」的なゲームを遊びたい層を狙ってるんだと思う。

 クトゥルフ神話TRPGはああいう箱庭クローズドを遊ぶタイムのゲームではないんだけど、クトゥルフじゃなくてよくね? 的な方向でアプローチするのと手も良いのでは。キャラメイクも要らないし。しかも公式シナリオがいっぱい用意されてるの好感度高い。どちらかというとオンラインセッション向け。

 

気まぐれネコのシェフたち(マタタビ茶屋)

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気まぐれネコのシェフたち。ねこの絵はない。

 ねこのシェフが料理を作るので、美味しそうなタイミングでカードを取りに行こう! でも生焼けやお焦げの料理はマイナス点、というゲーム。バースト+読み合いバッティングの系譜なんだけど、正直これ系はめちゃくちゃいっぱい出てるので、差異をうまく出さないと難しいと思うな。

 カードの視認性が悪い(数字が小さいとか)のもよろしくない。絵自体は美しいのだけど、単色カードってデザイン的に難しいですよ。

CATTLE MUTILATION(INVADE.)

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まさかのキャトルミューティレーションがゲームに!(ババァーン)

 今の国産ゲームを遊ぶ日本人ボードゲーマーの好みど真ん中感のあるアートワークの、変則神経衰弱ゲー。ルールを聞いたとたんこれはムリだと思いました。記憶ゲーってかなり神経使うので、ゲーム会終了10分前に遊ぶゲームじゃないと思うんですよね……(笑)。

 体調的に万全な状態でならまあワンチャン遊んでもいいかなと思うんですが、正直記憶ゲーは疲れるんで好きじゃないのでやらないと思います。ごめんなさい(ゲームが悪い訳ではないと思います、純粋な好みです)。

 

 めちゃくちゃ遊んだあとはボドゲ登竜門ですが、これは別途エントリーを立てます。

「当方ボーカル!」のボーカルを担当しました(笑)

 そうじゃない。

 ペンとサイコロさんの秋ゲムマ新作「当方ボーカル!」のアートワークを担当させて戴きました。怒濤の2週間でした(終わってないし)。いや、終わったはず。終わったんだそうなんだ。

 2週間でデザインフィックスは大変だった……。

 

「当方ボーカル!」とは

 当方ボーカル、全パート募集というよくネタにされるバンドものフレーズから着想を得たゲーム。プレイヤーはボーカリストとなって全パートを募集し、バンドメンバーを集めるものの、音楽性の違い( によってメンバー次々脱退もしくは引き抜き、はたまたバンド解散とままならない、そんなバンドあるあるを再現したストーリーテリング系セットコレクション……でいいのかな? というゲームです。多分。

 

どんなことをやったの?

 ロゴとイラスト以外のアートワーク全般です。

 ロゴは、私より現役でバンド大好き、高川ヨ志ノリさんにお願いしました。ちょうどゲームのネタがTwitterで流れてきた時RTしてたので、興味あるかもと思ってお話ししてみたのですが、ちょうど展示と別の絵仕事のど真ん中というので忙しい時期だったのですが、めちゃくちゃ速いスピードでろいさんのイメージ通りなロゴを作ってくださいました。

 しかし、ロゴが出来てから誰が作ったか話すという妙な手順になってしまったり。たまたまろいさんが高川さんの事を知っていたので良かったのですが。

binzume.sakura.ne.jp

 高川さんのウェブサイトです。

 

 他にも、ネタ出し的な話だと、当初音楽ジャンルがHIP-HOPだったのを「HIP-HOPってあんまりバンドって感じしないからテクノとかどうですか?」と提案したら採用されたのがちょっと嬉しかったです。

 

デザインについてはろいさんからいくつか注文があったのですが、その視点は自分にはなかった部分でとても勉強になりました。

 例えば、カードの裁ち切り部分まで、カードの内容が特定出来る色を使っちゃうと、切口部分を見ることでカードの内容が類推出来てしまうので、裁ち切り部分にかからないようにして欲しいとのご指示を戴きました。そうか……カードゲームの白ふちってそういう意味だったのか……。
 実はカードゲームの白ふち、あんまり好きじゃなくて、時代劇3600秒の時はなしにするデザインにするぞ! とああいうデザインにしましたけど(あのゲームはそこでカードの判別が重要なゲームじゃないしカードはオールオープンだから関係ない)そこにはそういう意味があったんだなあというのはとても参考になりました。
 あと、ユニバーサルデザイン的に黄色は他の色と区別しやすいっぽいことですかね。ただ、黄色は白背景に単独だとほとんど読めないので(ダビデゴリアテでのたうち回ったのは懐かしい思い出)、そこはまた別の話。

 他には、ヴィジュアル系のロゴを作る時に、フォントのイメージがお互いにあんまり合ってなくて、最終的に提示されたヴィジュアル系イメージフォントがBlackLetterだったのが自分的には意外でした。BlackLetterって同人誌とかグッズにかっこつけて使われがちだけど読みにくい書体って言うイメージが強くて、あんまりV系のイメージなかったんですよね。いや、ほんとそれだけなんですけどw

 

 あと、説明書に各バンドパートをつけるというネタがあるのですが(ばらす)私のパート(VP)はヴォイスパーカッションです。わかりにくいかと思いますので今ここに記載しておきます。

 実は昔ピアノやってたんでキーボードでも良かったんですが、もう今ほぼ引けないので……。

 

 色々な思い込みや勘違い、汚いデータの作り方などでろいさんには大分ご迷惑をおかけしましたが、何とか間に合ったようで良かったです。

 美麗なデザインなどは出来ませんが、読みやすさとかわかりやすさに関しては結構頑張ってるので、もしデザイン外注先が欲しいけどお金ない困った、という人は色々ご相談ください!

Indigo(インディゴ)

boardgamegeek.com

bodoge.hoobby.net


 2人~4人

30分前後
2012年~
システム Reiner Knizia
アートEckhard Freytag/Walter Pepperle
Ravensburger Spieleverlag GmbH

レビューとか

 まずはこのゲーム概要を見るんだ。


ツ ッ コ ミ ど こ ろ し か な い 。

 染料関係ないやないか~い!!!!

 クニツィア先生、あんまりにもシステムとテーマの乖離が酷いとか言われすぎてご乱心したとしか思えません。あとテーマから作ってるとかいうのやめれ。誰も信じてない。私も信じてません!(


 まあそんな雑なイントロからのゲームですが、黄色(琥珀)1点、緑(エメラルド)2点、青(サファイヤ)3点の宝石を、道に沿って動かして自陣に呼び込み、点数を集めるゲームです。全くインド関係ないですね! 大体、インドの宝石で有名なのはルビーとサファイアとダイヤなんだから、琥珀とかエメラルドにしたのがまず意味が解りません。まあエメラルドは取れるみたいですが、琥珀ってロシアが有名なんじゃないの?(調べてみたらバルト海沿岸と極東アジアに産地が集中してるみたいです。えっどうでもいい???)まあクニツァーのことですから仕方ない。

 青いリボンに沿って宝石を集めますが、自陣は2陣営共通になっており、2陣営の共通エリアに宝石を運び込むと、点数を共有するので、一人勝ちはしにくくなっています。実際のプレイでも1点差でした。また、あいつにこの石取られたくぬぇぇ! という場合は、石と石をぶつけて対消滅☆も狙えるので、楽しく嫌がらせをすることも可能です。まあもったいないのであんまりしませんし、意図的にぶつけるのも割と難しい感じはします。タイルは大体、みんなが想定するような配置のリボンは全部あると思っていいのでそういう意味ではあんまり難しい事はないです。あーこのタイル欲しい! こない! とか言いながらあちこちの道をつなげていくのはわかりやすい楽しさがあります。絵が綺麗なのもいいですね。

 クニクニしさ(またその言葉を使うのか……)はあまり高くなく、あっちを取ればこっちは立たず的なディレンマや、全体的なルール内での複雑な絡みなどは皆無で、子供でもサクサク! ですが、それはそれでわいわい楽しいゲームですし、何より見た目が美しいです。現在日本国内では手に入りにくいようですが、海外通販であれば比較的手に入りやすい価格ですし、もしゲーム会で見かけたら、遊んでみてもいいタイトルではないでしょうか。

 あと、何故かクニツィア先生、ついたて好きじゃないですか? サムライとかモダンアートとか、あとこのインディゴもついたてあるんですけど、インディゴのついたて、何か意味あるんすかね????(笑)

 

Wallet(ウォレット)

boardgamegeek.com

bodoge.hoobby.net

 2人~7人

15分~30分
2017年~
システム Marie Fort/Wilfried Fort
アート Oksana Dmitrienko
Lifestyle Boardgames/Cryptozoic Entertainment/HUCH!/ホビージャパン

どんなゲーム?

 マフィアのボスのお財布から、警察が踏み込む前に銭金ぽっぽないないするゲーム。警察に怪しまれたら(特定の条件を満たさないと)アウト。逮捕で脱落、生存者同士で持ち金を競い、多い順に勝利点を手に入れる、と言うゲーム。

 実際に本物の財布がコンポーネントとして入っていて、そこにカードやコインを入れるので、リアルに財布からアイテムを抜き差しする感覚が楽しめます!

レビューとか

 端的に言うとハンドマネジメント&バースト系なのですが、実際にやってみると、あんまり似た感じのゲームがない不思議なプレイ感です。その不思議感を高めている小道具が、タイトルにもなっている財布! 抜き取るべきお金やジュエリー、IDカード(敗北条件の確定兼、最低1枚持ってないといけないが、多すぎてもだめだったり、キャラによっては2枚以上持っていないといけない)などを抜き取るのが臨場感を高めています。勝利点もチャックの付いた小銭入れ部分に入っており、ここから取り出す事になっています。また、特定のキャラクター以外持っていてはいけないアイテムがあり、そのキャラクターIDを持っていると有効活用できる一方で対応するキャラのIDカードがないと脱落になるので、他人に押しつけたり自分の正体を変更したり、ウォレットに戻したりしないといけません。何が持って行かれて、何が残っているのかをチェック出来れば強そうですが、カードから全部抜き出してチェックしづらくして、というのを狙って敢えてそういうコンポーネントにしてるのかな?

 一方で、自分の有利な状況になったと判断したら、どんどん時間を進めて周りを追い詰めていく事も可能で、その見極めが勝利の鍵を握ります。

 アートワークも雰囲気をよく伝えていて、絵もデザインも結構いいです。個人的には(大人向けゲームではないので)明らかに高級娼婦っぽい感じのキャラクターが「クールガール」の名称になってたのがちょっとウケました。

 ちょっと他にない感じのゲームが好きな方、正体隠匿系ではありませんが、自分の正体を他人に明かさないようにしつつ自分の勝利条件を探っていく感じは、正体隠匿系が好きな人にも受けそうです。いや、でもこれ正体隠匿系と呼んでも良さそうな気もする???? まあ全くウソつく必要ありませんので、うそつきゲーが苦手な方にも安心してオススメできます。

Stich-Meister(トリックマイスター)

boardgamegeek.com

bodoge.hoobby.net

 

 3人~5人

45分前後
2010年~
システム Friedemann Friese
アート Lars-Arne "Maura" Kalusky
Amigo Spiel + Freizeit GmbH

どんなゲーム?

 緑のおじさんフリーゼの、パッケージが緑じゃないゲーム。

 基本はマストフォロー切札ありビッドなし、1トリック1点のトリックテイキングだが、そこはそれ、毎回ディール毎に異なる奇天烈なルールがプレイヤーを苦しめるぞ! どんなルールかは、まあ、写真を見てくれや!

レビューとか

 マストフォロートリックテイキング界のキングオブ変態トリックテイキング。長げーよ。

 メイフォロー界のキングオブ変態は今のところシュティヒェルンだと思っておりますが、そんなにトリテ得意じゃないしプレイもしてないので、もっと変態なトリテがあったらごめんな!(トリテ警察の視線におびえつつ)

 プレイ用のカードとは別にルール用のカードがあり、みんなで自分に都合のいいルールカードを一枚出して、みんなのルールを適用しようぜ! えっ? 投票で気に入らないルールを排除? 魔法陣の(r じゃないんだからんなこと出来るワケねぇだろ! 不利になる? じゃあ死ね乙! っていうゲームです。さあ、苦しめ!

プレイヤーを苦しめるクソルールの例

 

 毎ラウンド毎ラウンドルールが変わるため、どれが有利か不利かはルールが決まるまで全く解りません。有利なつもりで出したルールが自分を追い込み阿鼻叫喚なんてしょっちゅうなので、それを楽しみつつ七転八倒し、泣いたり笑ったり。ごめん、これトリテの皮を被ったパーティゲームだわ!

 

プレイヤーを苦しめたクソルールの例、その2

 敢えてちょっと難しいかな? というところを上げるとしたら、切札の決定の優先順位の説明がめんどくさい事ですが、それも、小さい数字優先で、複数ルールが適用されるカードが強い、くらいに覚えておけばオッケーです。あと、切札は切札というスートになるって言うところが、わかりにくいかもしれません(他の切札のあるゲームでも良くあるルールなので、理解しておくと他のゲームでも役に立つ概念だと思います)。

 アートワークが日本だか中国だか解らないエセアジアというかインチキヤポーンという感じで、好き嫌いはありそうですが、私はこういう雑な感じは割と好きです(笑)。

オリジナルゲームを製作するアマチュアのためのテンプレートを無料配布します。

booth.pm

booth.pm

 

booth.pm

 イラストのフリー素材は結構あるけれども、カードのテンプレートはあまりない気がしたので作ってみました。再配布しなければ改造自由です。

 今回は本当に素材の素材の素材って言う感じで、これから弄ってねって言うやり方ですが、より完成形に近いものを望まれる方が多ければ、ちょっと考えてみます。これからもちょくちょくこういったデザインは増やす予定です。

 法人も使用可ですが、その場合は使用料を徴収いたします。アマチュアの方は有償配布でも無料にて自由にお使いください。