邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

Calavera(カラヴェーラ)

システム:Klaus-Jürgen Wrede
アート:Kreativbunker

2人~4人

20分
2019年
moses. Verlag GmbH

◇レビュー

 見た目が完全に髑髏と薔薇って言うかスカルの紙ペンゲーム。パッケージがめちゃクソオサレでヤバイですね。このゲームはなんかのシリーズらしくて、みんなモチーフがメキシコ、というメキシコシリーズです。ただしデザイナーは全て別の人。
 なお麻薬ネタではないです(ないです)。死者の日をテーマにした楽しいダイスゲームです。

 いわゆるロール&ライト+バーストゲーであり、髑髏が振り直し不可の、3つ以上髑髏が出たら書き込み出来ずの、薔薇がワイルドの、特定のところまでチェックを入れると得点になるけど得点圏を越えるとマイナス点からの、得点圏で目を確定させるには薔薇の目を出さないといけない、というまあ、割とよくありそうな感じのゲームです。実際あると思う。

 このゲームが非凡なのは、こういう典型的なロール&ライトであるにもかかわらず、しっかり間接的インタラクションが発生する作りにあります。

 手番プレイヤーが選んだダイス目は他プレイヤーはピック出来ないので、高得点圏にチェックを入れているプレイヤーにわざと同色の高い目をつかませて沈ませたり、早取りボーナスを取らせないように特定の目を取らせないよう振り直したり、といった駆け引きが頻繁に発生するようになります。もちろん、それを狙った本人がバーストする、といった事態も発生するので、それがダイスゲームならではのスリルを生んでいます。

 個人的にはダイスランドとプレイ感が似てるなと思いましたが(ダイスの操作感とかはほぼ同じ)より簡潔で、よりスリリングです。オススメ!

 ただ、あえて言うなら、これ別に個人ボードで良かったよね……w

 両面シート方式なので、プレイ時間も短い事ですし、2回連続で遊ぶとちょうど良い満足度になるんじゃないかなと思います。両面使うの、エコ仕様でよいですね。名前書く欄がないと同卓勢はずっと言ってました。確かにないですねw そこ重要か?www

 この手の2~4人ゲームは2人が微妙になりがちなのですが、2人プレイもとても良いです。アブストラクトだと差がついてしまい過ぎるので避けている人向けの2人ゲームとしてかなりいいんじゃないでしょうか。ダイスゲームであることが程よい運要素として作用しているのがいいですね。2人だと特に、相手のシートを見てどのダイスを残すか、振り直すかなどの判断がしやすく、程々にコントロールしやすい点も魅力です。2人以上で出来るけどサシゲーとしてもオススメできるゲームとして、今後推していきたいタイトルです。

 スリルの結果がこれだよ!

 

 ただ、ルール記載が原語版の方もかなり曖昧です。ルールに関してはBGGにて補足がありましたが、

・自手番以外で列を確定させる事はできない

・チェックが出来る状況では必ずシートにチェックをしなければならない

 ので、他プレイヤーがバーストして薔薇N個出ても、列は確定させられず、空いている列があればN個マスを埋めなければなりません、という解釈で良さそうです。