邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

My Cityを終わらせたのでネタバレありで記事を書くよ(※未プレイの人は読まないでください)

 今回はバレが有るため画像は貼りません。悲しい。ぴえん。

 クニツィアのMy Cityを買って4人でプレイしました。

 クニツィアがレガシー? というフレーズに惹かれて買いましたが、キャンペーン方式のレガシーゲーは殆ど遊んだ事がないので他ゲーとの比較は無理です、すいません。

 プレイした感じだと、10時間強くらいでキャンペーン終了出来そうです。1日だとちょっと厳しいので、2日間くらいで一気に遊ぶのがよさそう。一日1チャプターって言う遊び方よりは、一日か二日で一気に遊んだ方がゲーム性のダイナミックな変化を感じられて楽しめるかもしれない。

 ゲーム設定の変化が劇的になるのは中盤以降なので、序盤はやや盛り上がりに欠けますが、1プレイがとにかく早く、ガチめのパズルなのでかったるさを感じるようなシーンはほぼなかったです。

 ゲーム性は、近年のクニツィアのパーティ感あるゲームと比較するとかなりガチな方のクニツィアです。運要素はままありますがかなり苦しく悩ましく、クニツィアディレンマというすでに我々が忘れかけたあのフレーズが脳裏を何度もよぎり、クニツィアへの呪詛を吐きながらのたうち回りました。ぶっちゃけクニツィア死ねって言ったのは初めてだと思う(おい)しかも何回も!(死なないで下さい)

 とはいえ、ゲームとしては殆どインタラクションのないソロゲーで、インタラクションは中盤以降のチャプターでの早取りくらいしかないかな。プレイ感は紙ペンゲームに近いと言えます。殴り合いのディレンマではなく、如何に限られた手で最善手を尽くすか(そしてカードのめくり運に裏切られるか)というパズルです。なので、パズルゲーが好きな人はめちゃくちゃ好きだと思います。そう言えばクニツィアポリオミノゲーって初めてじゃないかしら。そういう意味でもクニツィアの初物を押さえたい人はやっていいタイトルです。

 ただ、好みで言うと苦手な方のクニツィアでしたね……。途中で差がつくとほぼ逆転不可能です。ゲームとしては面白いのは間違いないのですが、自分には不向きでした。バランス自体は平たくするように工夫されてるのですが、同レベルのプレイヤーが揃って遊ばないと、一人長時間お通夜になるので、そこがネックと言えばネックです。
 永遠モードも多分やらないので、こういうコンポーネントがしっかりしたゲームがレガシーだともてあましますね……。

こんな人にお勧め

・パンレガやグルームヘイブンは長すぎてエタりそうなのでレガシーゲーにチャレンジできてない人(冗談)

ポリオミノのガチパズルが好き

・紙ペンゲー好き

クニツィアジレンマのキツイやつを味わいたいマゾゲーマー

 

 


 チャプター8*3シナリオで24シナリオのうち、大幅にシナリオが変わってくるのはチャプター3くらいからかな。鉱山が出てきてからの工業化の辺りで要素がめちゃくちゃ増えてくるのですが、3本しかないシナリオ(チャプター1個分)のために木ゴマを入れるのは贅沢な仕様だなあと思ったり……。そしてすぐ使わなくなる資本家ェ……。
 中盤から早取りのインタラクションが生まれてきますが、早取り要素を優先すると他の点数が全ておろそかになるので、中途半端に早取りに絡むと確実に沈むのでどちらを優先するか? という悩ましさ、マイナス点を回避するための行動とボーナスの狙い方などのいやらしさがつまっていて、とにかく全部いやらしい。クソが!

 とはいえ、3位4位でゲームを終わると、次のゲームが有利になるシールがもらえます。しゃがむなら、インタラクションが生まれてからのチャプターでしゃがむのが美味しいのかもしれないです(狙ってできるとは言ってないしできてない)。

 後半の1位プレイヤーのペナルティがあんまり強くないので、差を付けるならもっときついペナルティを入れてくれないと平準化はできてないと思います。まあそのペナルティ取ってないといい事があるように作ってありますが。
 あまりリアルをゲームに反映するようなテーマ性を意図的に盛り込まないようにしているのは伝わるんですが、町の発展からの鉱業>工業化からの文化重視>環境重視というのは全体的なテーマとしてうっすら通底していますね。私らなら鉱業>工業化の部分で公害だの環境破壊だの入れてから環境改善辺りを入れてくると思うので、そこは「架空の世界の架空の街」という事にしたいのだと思います。そこはヨーロッパのデザイナーだな、と感じるところ。ここに中の人(クニツィア)のゲームに関するスタンスを感じますね。