邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

Dracula's Feast(ドラキュラズ フィースト)

4人~8人

5分~15分
2017年~
システム:Peter C. Hayward
アート:Tania Walker
Jellybean Games

◇どんなゲーム?

 あなたはドラキュラ伯爵のパーティに招待されました。メンバーに質問して、パーティに招待された参加者全員の正体(ダジャレ)を言い当てよう! 
 人狼やその他の正体隠匿系が苦手で敬遠していた人でも大丈夫! 
・嘘が苦手でも大丈夫(質問はYES/NOで答えるが、専用のカードを相手に渡すだけなので、口頭で説明する必要皆無) 
・議論不要(相手の招待を直接YES/NOで訪ねるか、ダンスに誘ってお互いの正体カードを交換するか、正体を告発するかの3アクションのみ) 
 Kickstarter発、シンプルな読み合いのロジックゲーム!

◇レビューとか

 テレビの番組で見たり、動画で見るのは好きだけど、いざ人狼をやると騙りが出来なくて即吊りされたり、セオリーがわかってなくて変な事を言って疑われたり、ベテラン様にぼっこぼこにされて嫌になったりして、正体隠匿系に苦手意識を持っている方は多いと思います。正体隠匿系ゲームで「これ人狼苦手な人でも出来るよ!」という口コミを聞いて、いざやってみるとダメだった、と言う経験、ありませんか? 私はあります。(ゲームのタイトルはあげませんが、同人・商業両方でいくつかあります)

 そういう方に、正体隠匿系の雰囲気を味わえるこのゲームをオススメします。

 元がKickstarter発のゲームなので購入は海外通販でしか出来ませんが、日本語訳および、プリントしてゲームできるシートがBGGで公開されております(https://boardgamegeek.com/boardgame/159575/draculas-feast)

ので、まずはお試しに遊んでみては如何でしょうか?

※BGG公開バージョンのゲームは製品版とルールが異なります。また、日本語訳は製品版の翻訳ルールとなっております。

 Kickstarterの拡張ではクトゥルフ様も遊べるようになっているそうですが、現在の入手経路があるかは不明です。クトゥルフ好きとしては気になるのですが、話に聞く限りだと壊れ性能っぽいので、なくてもいいかもしれないです……。

 さて、ゲームの内容は基本的にはロジックゲームであり、相手の行動と質問への回答から消去法で正体を絞っていき、正体を当てます。キャラクターごとの特性についてはサマリーが付いており、パーティには誰が参加しているかは予め示されているので(英語ですが、日本語訳ルールがあるので、プレイにはそちらを渡せばOK)支障はないでしょう。

 このゲームの肝は、

「何を言ってもいいが、質問や告発には、キャラクターカードに言及がされていない限り、嘘をついてはいけない

質問や告発への回答は、YES/NOの記載されたカードを、質問/告発者に渡せばよい

ところ。嘘をつくのが苦痛だったり、すぐバレると言うことがないので、苦手な人でも安心して遊べます。

 また、告発カードは全員分の回答を受け取って(特定の一人だけの場合もあるが)シャッフルしてからオープンにするので、推理が間違っていたとしても、誰への推理が正解/間違っていたかは第三者にはわからない、わかりにくいようになっているなど、心理戦の要素を極力カットしています。正体隠匿系の魅力は心理戦だ! と言う方には物足りないかもしれませんが、そうではない、心理戦は苦手だけど、正体隠匿系の魅力は味わいたい、と言う方にはオススメしたいゲームです。

 4~8人と幅広い人数をサポートしており、また短時間で終わるのでゲームのつなぎにも良さそう。アートワークもゲームの雰囲気に合っていて、エドワード・ゴーリーをポップにした感じで非常に私好みです。

 

※現在完売していますが、来年アートワークを一新して新たにKickstarterで再販するようです。ただ、新ヴィジュアルアメコミ調で全然好みじゃない……。前のが良かった。ぐすん。