邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

リトルタウンビルダーズ(Little Town Builders)


2人~4人

30分~60分

2017年~
システム:Shun
アートワーク AYA
Studio GG

◇どんなゲーム?

 シンプルなワーカープレイスメント。未開の大地に降り立った建築家集団が、土地を開拓しつつ食べ物を集めたり資材を集めて、街を作ります。お互いの建物は1金を払う事で機能を使えるので、皆に使ってもらえるようなところに便利な建物を建てるか、それとも、機能を独占出来るように建物を建てるかを考えつつ、雇った従業員には報酬(食事)を払わなければいけません。

 複雑になりがちなワーカープレイスメントを絶妙なバランスで遊びやすくした、StudioGGの傑作ワーカープレイスメントです。

 

◇って傑作ってもう言ってるやんレビューとか。

 商業ルートに乗ってる海外のワーカープレイスメントは、大体肥大化しているように見える中、シンプルでわかりやすい、あんまり苦しすぎないワーカープレイスメント*1。ワカプレとして考えるとかなり軽いルールですが、ゲーム慣れしていない人とプレイした感じでは、かなり重いゲームだったらしく難しい難しいと言いながらプレイされていました(それでも楽しんでいただけたみたいではあります)。

 アグリコラとかもっと重いゲームの前の布石として、ワーカープレイスメントに手を伸ばすとっかかりとしてはとてもいいゲーム。ただ、それでもまだ重いので、ゲーム始めたばかりの初心者に2,3個目くらいに遊ばせるゲームではないかも。30分と箱にはありますが、45分くらいは(ダウンタイム込みでも)見てプレイした方がいいです。ほんとの初心者相手前提なら、同サークルの開拓王の方がカジュアルなのでそちらの方がいいのかなって思います。

 このゲームは、現時点では、人数が多ければ多いほどシビアで、少なければ少ないほどカジュアルなゲームになる印象。2人でやるとめっちゃ食料が余りますが、4人だとややカツカツかなと感じます。

 このゲームはどの建物を建てるか、配置をどこにするかが大変重要で、うまい事コンボを成立させられるところに建物を建てると自分もおいしいですが他人もおいしくなってしまいます。そこを開き直って、お金を集めるのも大事ではありますが、手番順によってはおいしいポイントに自分が飛び込めない事もある訳でして、待ち時間が非常にじりじりします(そこがいいところなんですが!)。また、建物は毎プレイリシャッフルされますが、その配分によってどの資材がよく回るかがかなり異なるため、畑の強弱も結構変わってきます。初プレイの時はお金で麦が買える建物を早々に建てたため、畑はろくに建てませんでしたが、そういう建物が無い時は一面畑になるのでなかなか壮観です。

 同サークルの開拓王も好きなのですが、開拓王は比較的攻略法が定まってる感がある(とにかく麦消費プレイが強すぎ)ので、こちらの方がより最後まで展開が読めない感じがあると思います。まあ実はこのゲームほとんど勝ててないです(笑)。でも、お金を他のプレイヤーに渡してやりくりしてコンボするのが楽しいので、勝てなくて苦しいとはあんまり感じません。

 ヴィジュアル面に言及すると、得点トークンが両面で、男女に分かれてるんですよね。どちらでも遊べるようにという事だと思います。自分の場合は同色のミープル買ってきてそれ使ってね、してるんですけど(笑)。

 このゲームは全体の盤面とは別に個別目標があり、これを達成する事で2or3点が入るのですが、意識すれば大体全員が全部達成出来るので、あんまり点差が出ないんですよね。追加で取れるが達成出来ないとマイナス、でもいいかもしれなかったですね。(最近チケライやったのがばれる奴だ)

 

余談。制作者に確認しましたが、「建物を一列に並べる」目標タイルは、途中で曲がっていてはならず、一本の線上に建物が並んでいる必要がある、との事でした。

*1:そういうのが求められているのか、求められていないのかというと、同人ゲームで軽めのワカプレがたくさん出ている事を考えると、やはりそういう需要はあると思うのですが……