邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

Cthulhu Fluxx (クトゥルフ フラックス)

 


2人~6人

5分~30分
2014年
システム:Keith Baker
アート:Derek Ring

Black Monk/ホビージャパン/Hobby World

◇どんなゲーム? 

 どんどんルールが変わっていくFLUXXがクトゥルフ神話バージョンになって登場! オリジナル要素としてゲームの勝利条件「ゴール」の他、敗北条件「アンゴール」が登場。全員敗北……かと思いきや、何故かアンゴールの条件で邪神復活して勝っちゃったりするカオスな展開がいかにもクトゥルフ的! 原作でおなじみの登場人物なども多数登場! 刻々と変化する状況に対応して、勝利をつかめ!(つかめるとは言ってない)

◇レビュー

 Fluxxとか言うルールが途中でガンガン変わっていくカードゲームの亜種。何故か「ゲームが終わらない」「収束性、とは」「クソゲー」と本家は異常に評価が低いのに、やたらヴァリエーションが出るって事は、同じくらい支持者がいるのでしょうか。私は本家のFLUXXは未プレイです。

 まず、カードがテキストで埋め尽くされていると言っていいので、カードを一読してすっと入ってこないのが結構きつい。そういう点ではプレイ時間を食うゲーム。

 なんでだろう? と考えてカードを見て気付いた。

 カードのデザインが良くないのである。勝利条件の必須項目の単語ぐらい太文字ゴシック体で強調してくれや

 戦略性がないという意見もあるけども、ある程度は戦略性を持たせたプレイングは可能かなと感じている。幅広くアイテムカードを出して待ちを広くし、他のプレイヤーに妨害されないように自分に都合良いゴールをキープして自分の手番に出すのが基本なのだけれども、勿論新ルールでガンガンひっくり返されたりはする。

 FLUXX元祖はプレイしてないので比較は出来ないけれども、このカードのオリジナル要素で全プレイヤー敗北のルールがあるため、突然勝者なしでゲームが終わったり、通常不利なカードが勝利に結びつくなど、ルールのシステムとテイストがフィットしてるのと元ゲームのシステムよりは1ゲームが終了しやすくなっているので、改良版と言っていいのでは。

 ただ、これを取ると勝利、というセットがかなり沢山あって、その組み合わせが(クトゥルフ的な必然性は脇に置いておくとして)ゲームシステム的にあんまりがっつりかみ合ってるって感じはしない、しかも煩雑なので(しかも同タイプのカードは1枚しかないっぽい。確認しては居ないけど)、クトゥルフゲーだから(クトゥルフゲーとしては面白い方だから)買った、としか言いようがないところはなくはないなぁ。クトゥルフ好きと遊ぶタイミングがあったらやる、っていう状態なので、手放すつもりはないのだけども、クトゥルフ好きだったらもう大体持ってるし、ゲーム会に持っていく候補は山ほどあるので、このゲームが回るタイミング、あんまりないな~。テキスト多すぎなので子供と回すのは無理だし。

 いや、でもクトゥルフゲーって、大体アメトラ*1ばっかな上に重ゲーばっかりなので、これくらいの軽いクトゥルフゲーはクトゥルフ好きと遊ぶには重宝するのよね。逆に言えば完全に知ってる人向け。私はラヴクラフトレターNfMなので。

 

*1:Ameritrash、アメリカで主流とされている、テーマ重視のテキスト特殊効果一杯ゲームバランスそっちのけゲーの蔑称。この略称は私がでっち上げた奴だ! 反対語はEurogame……かな?