邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

ARBORETUM(アーボレータム)

 

システム:Dan Cassar

アートワーク:Philippe Guérin/Chris Quilliams
Z-Man Games
2人~4人

30分~40分
2015年~

◇どんなゲーム?

 木々の植えられた小径を引いて美しい樹木園を作ります。

 2本の同種の木に挟まれた道が得点になりますが、道はカードに振られた1~8の数字が昇順に並んでいなければならず、また道が得点になるには、ゲーム終了時の手札の数字の合計が最も高くないといけません。1と8の数字のカードは道に使うとボーナス点が手に入りますが、ゲーム終了時の数字優劣時に、1は8の数字を0点にする特殊効果があります。同色のカード4枚以上で道を作ると点数が跳ね上がりますが、全ての同色カードのみで道を作るのは困難です。

 さあ、最も美しい樹木園を作るのは誰でしょうか?

 

 ジャンルとしてはカード配置+マジョリティ+セットコレクション。カードを昇順に並べますが、同じ数字が途中で入っていてはいけません。昇順であれば、途中で曲がっていようが折れていようが問題なし。

 特徴としては、

・相手の捨てたカードをサルベージ出来る

・ゲーム終了時の手札の数字でマジョリティ争いが発生

・カードの数字で昇順を作る場合、両端が同じ色なら中の色は何でもいい

◇レビュー

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 最近遊び直して気づいたのですが、このゲーム、4人用ロストシティだ!

  ロストシティを骨格に、マイナス要素を廃した代わりにインタラクションを強めているので、重たくはないですが割とゲーマーズゲーム寄りです。相手の並べた小径を手札で無効化できるけれども、その為に手札が重たくなって相手の強いカードを潰すために手が狭くなって悩ましくなる、というディレンマは本家より強まっているように思います。箱庭ゲー的な要素に加え、複合的な要素のディレンマに頭を悩ませつつカードをプレイする楽しさがあり、初心者から上級者まで末永く楽しめそうなゲームです。

 

 アートワークもとても美しく、繊細なタッチでかなり私好み。デザイン的にも、シルエットで違うカードと判別できるように描かれています。難を言えば木の名前が筆記体で、日本人的にはかなり読みづらいですが、数字の下にそれぞれの色/木の種類に対応したアイコンが付いているので、色覚障害の方でも間違う事はないと思います。

 

 難点としては、カードを広げるので、多人数プレイだとそこそこ場所を取ることかな……。ホビージャパンの日本語訳マニュアルが分かりづらかったので、一度レビューサイトや紹介サイトに目を通しておく事をお勧めしす。
 プレイ感にトランプっぽい要素(カードを広げて並べるのが七並べっぽい、最強カードが最弱カードで無効化されるなど)があるので、カードゲーム初心者への導入ゲームとしてプレイするのにもいいかもしれません。ややガチ目だけど。

  

・ロストシティが好き

・ロストシティを2パック買ってロストシティ4人用で遊びたい勢(いるらしい)に、ロストシティの代わりに

・絵が綺麗なゲームが好き

・箱庭好きだけどソロゲー過ぎるのはちょっと

 という方にオススメします。

 

※2018年7月にRenegade Game Studiosから再販されます。https://www.renegadegamestudios.com/arboretum/

 メーカー変更でアートワークが大幅に変わるため、好みは分かれるかもです。このミニマルなデザインはアジア市場を見越したのかなあ、と思いつつ、箱も含めて前の方が好きだったなぁ。でもいいゲームだし、日本に入ってきたらすぐ買うけど(