邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

黒幕机上謀戯#18BodoCa

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 お久しぶりのpixiv公開。秋ゲムマの新刊マンガを公開するよ!
 今回紹介するのはColorful Spieleの「BodoCa」(https://bodoge.hoobby.net/games/bodoca)です。 テラフォマンガでもないしルドフィールマンガでもないです。自分でもびっくりするくらいネタてんこ盛り(内輪ネタ)このマンガを描くに当たって、ネタにさせていただいたどどめ氏と番次郎書店のバンちゃん様、ボドっていいとも!の翔さんには改めて御礼申し上げます。

 今回は新キャラとして魔界塔士Sa・Gaのカミが登場(一応過去にもふたコマほどちらっと出てきてます)。クイズと協力ゲーム(の奉行)とマウントが大好きと言うリアルでいたら絶対同卓したくないタイプのウザキャラです。今後クイズゲーなどにちょこちょこ登場させる予定です。

 テラフォネタ盛りすぎたのは反省している。



 

なごやボドゲセレクトマーケット 試遊予約、時間帯別試遊ゲームリスト

http://tantramachine.com/yuruita/thelema.html

名古屋のど真ん中、栄で試遊と物販が両方出来るボドゲイベントを開催します!(詳細はURLをご覧ください)

 

試遊予約、時間帯別試遊ゲームリスト

 確定している枠から記載します。

 テーブルの都合上、各時間毎、最大2卓までを立てての試遊になるため、希望のゲームを試遊したい場合、試遊時間の予約の参考となさってください。

 当日突然お越しになった場合、予約優先のため試遊をお断りする場合があります。また、予約者の希望優先となりますのでご了承ください。

 

14:00~
15:00~

・時代劇3600秒

16:00~

・試遊希望あり

17:00~

黒幕机上謀戯 #21「語彙大富豪」

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 ナンバリングが飛んでいますが、ゲームマーケット2019秋~盤祭再販分がまだ手元に数冊残っているので、完売再販予定なしのこちらを先に公開しました。

 オンライン発の紙ペンゲームなのでメモと筆記具があればどこでも遊べます! なお漫画のネタのいくつか(隕石~タルシスとか、猫とか)は実際のプレイで使われたネタです。

 

 語彙大富豪のルールはこちら

togetter.com

 

 一応誰がどの単語を紙に書いたかに関してはリストも作ってあるのですが、これは総集編収録時に公開とさせて戴きます。

 禁じ手扱いされてるあの辺の単語類は、メタ的には割と対処の方法があると思うのですが、たまたま参加者がその辺のメタ読み系単語を書いてなかった、ということでご了承を。

2019年振り返り特集その1 #マイベストボードゲーム2019

 TGiWで今年注目された日本語版ボードゲーム2019という記事が書かれましたが、改めて各作品をレビューしつつ、その後に遊ばれたゲームも含めて、同人ゲーム限定のベストを選んでみようと思います。

www.tgiw.info

 

2019年12/16時点のベスト

 

コード破り

 クニツィア先生ラヴァーとしては外せない一作。クニツィア先生のダイスゲーム数あれど、これが今のところベストです。より知名度の高いヘックメックと比較しても圧倒的に収束性がよく、チキンレースとしても盛り上がる良質な作品。コンポーネントも凝っていて、テーマとフィットしているのも良。でも高い! 10k行かなかったから許す!(

メンバーズオンリー

 2連続クニツィア! 安田均さんが来年あたりにSNEから日本語版を出してくださるそうなので楽しみにしています。うきうき……うきうき……

テラフォーミング・マーズ

 今年は割とがっつり重ゲー付いてたんですが、とうとう買っちゃったのでこれ。

 名古屋勢は一通り触ってる人ばっかり何ですが、東京の知人友人に未プレイ勢がかなり多くてな……。(東京まで持っていくんかい)


タイムパラトリックス

 今年の秋のトリテベスト。まあ新作ではないのですが。

 自作プレイマット作っちゃう程度には熱烈に好きな変態トリックテイキングです。


Noblemen(チューダーの薔薇)

 ヒッポダイス賞受賞の中~重量級枠タイル配置ゲーム。

 やれることが1手番1回だけ、悩んでいるとドンドコラウンドが進むテンポの早さが凄く遊びやすい一作。テーマもぐっとくるし相当オススメです。


時代劇3600秒

 こんなビッグタイトルのアートワークをやらせて戴けただけで今年はもう満足感ある。いやそこじゃない。運100%なのにめちゃくちゃ面白いってすげぇ。運ゲーの金字塔としてImpactとともに末永く愛好していきたい一作。


フォーセール

 気になっていながらやってなかったことをプレイした瞬間に後悔した。正直すまんかった。それはともかくこのゲームでシュテファン・ドラというデザイナーを意識するようになり、今年はドラゲーをいっぱい遊んだ。他にもVallettaとかスラス・オフも好きです。

トロワ

 トロワ語のフレーズで有名なので名前だけは知ってましたが、トロワ語が語り継がれる程度には面白いです(どういう言いぐさだ)。つまらないゲームならそもそもアートワークがひどいでぶった切られて終わりなのが、ゲームが面白いからネタにされる。名作オブ名作。人のダイスを金で奪ったり奪われたり、蛮族対策が金で何ともならないことに後で気付いてウギャーってなったり。ワチャワチャしてて凄く楽しい重ゲーです。


ボドカ

 ルドフィールを遊んで買えない絶望にのたうち回った後にバネストで見つけて即買いした一作。自分で無限にルールを思いついて遊べるボドゲマニア向けの最強のおもちゃ。ボドゲクイズにはまったのも併せて、タイムリーだったなあ、と。


チームプレイ

 ほんとアートワークはクソみたいなゲームですけど(暴言)めっちゃいいゲームなんですよ。ペア戦のゲーム色々ありますが、相当遊びやすい部類です。今ちょっと手に入りにくいかもしれないので、皆さん是非探してみてください。ただしプレイ人数は偶数人数に限る。

 

 選外のアンダーウォーターシティーズは面白かったけどまだ1回しか遊べてないのでもっとやってからあーだこーだ言いたい。でも好き。

 今年は割と電力会社をよく遊んだ。プレイマット作った関係でカードゲームの方も良く遊びました。電力を選外にするのは大変悩ましい……! ファストフォアードではカジノロワイヤルが好き。三戒も最高に好き。ああーーあーあーベストとか無理矢理ひねり出してるとしか思えないよ!

 

2019年12月30日時点でのベスト同人ゲーム2019

 今年の同人ボードゲームは個人的に大豊作でした。

 普段買わない(好まない)ジャンルのゲームに良作が沢山あったので、そういったものもリストアップしました。

 

  1. 時代劇3600秒
  2. エイジオブフェアー
  3. ベストワードクラブ
  4. ミニマルチップス
  5. ツギハギだらけの物語
  6. アニマルシェ
  7. アールエコ
  8. アメリカンブックショップ
  9. ボドカ
  10. タイムパラトリックス

 めっちゃ悩むんですけどほんと良ゲー多くってなー選外でもいいゲームめちゃくちゃ多くてなー辛いわー。マンガ書いた三津浜とかナナジウムとか、倦怠期の他のトリックテイキングもめちゃくちゃ面白かったし、箸でCUBEsは友人のお子さんに買い与えたいし、自分がゲームに感じているもやっとしたものをうまく解決しているゲームや、斬新な視点のよいゲームが沢山あってほんとすごい。トリックパーティも面白かったな~500円でこれは神ゲー

 ナンバリングそのものには特に意味はないです。

テラフォ考~我は如何にして、火星沼にはましりや?~

 この記事はボドゲ紹介 Advent Calendar 2019(https://adventar.org/calendars/3964)の記事として執筆されました。

 

 どうも、大遅刻です。有我悟です。

 カレンダー当日の夕方までは、記事の構成の事ばかり考えながら仕事をしていた癖に、自宅に帰る前の用事を済ませている間に綺麗さっぱりボドゲのことを忘れてなごやボドゲセレマのメルフォを作る作業に専念しておりました。申し訳ない……。しかも金曜日は金曜日で新しいスマホゲーが(グシャァ あ、いやなごやボドゲセレクトマーケット、是非ともよろしくお願いします(ダイマ)。

 いや家に帰ったのが所用済ませて21時だったし、その後お年始テラフォ会の相談とかしてたから(よくねぇよ)まあ木曜日に綺麗さっぱり忘れてた私のせいなんですけどね。これだからASDは。

 

 と言う訳で、最近、特に今年はやたらとテラフォづいてるんで、ベタにテラフォの話でもしようかと思います! 2日遅れで4日遅れでした……申し訳ない……このクソクオリティ、来年からは参加させねーからな! ってなるんじゃないかと今から戦々恐々です。ヒッこわ。

 来年からは事前に準備すとこ……いや、多分イベントなくてもコミケの締め切りでヒーヒー言ってるわ……。ギルティ!

 

 

 テラフォとの最初の出会いを思い起こしてみると、みんながやるから付き合う、という全くもって消極的なスタートだったのですが。他の方のリクエストで始まったゲームで、自分で望んで選択してのプレイではなかったのです。

 そもそも、テラフォーミング・マーズというゲーム、箱が並んでいても多分全く興味をそそられないでスルーするタイプのゲームなんですよね。

・SFモチーフにそそられない

・重ゲーに苦手意識がある

・前評判を聞いてなかった

 最近でこそアンダーウォーターシティーズとか電力とかホイホイつられちゃう私ですが、重ゲーに対して当時は若干苦手意識がありまして、苦手意識が生まれたきっかけのゲームが「シドマイヤーズ シヴィライゼーション:ボードゲーム」でした。学生の頃は普通に超人ロックとかアクワイアで遊んでいたし、実際職業全抜きだけどアグリコラも遊んだし、いけるやろ!→ダメでした……

 が辛すぎて(途中でギブアップしたような気がするが、全く記憶にない)「私には重ゲーは無理なんや!」と諦め気味だったのです。なので、巻き込まれのノリでなければ決してやらないタイプのゲームであったことはわかって戴けるんじゃないかと思います。まあセレクトが間違ってましたね!

 で、実際の初回プレイは国連火星動議でぶっちぎりビリでした。予想通りですね! あんなにアドバイスを貰って都市は造れと言われたのに、コストが足りないのでさっさとカードを捨ててたのが敗因だと思います。正直何引いても全く使えるカードないし、欲しいカード取りまくってたおかげでお金ないし、無い無い尽くしの悪循環だったのです。このトラウマ(笑)で、今でも購入カードは最低限で、終盤になってプレイするカードがなくなって負けるのがしょっちゅうです。カードはある程度買うのも大事!

 ただ、このゲーム、ゲームが終了しないと最終的な得点が見えないのですね。見えているTR*1に加えて、様々な要素で勝利点が加わる為、ゲームが終わるまで誰がどれくらい勝っているかは、ぱっと見には分からない訳です(分かるだろって言う人もいると思うけど、私には分からないです。未だに分かりません)。なんで、ちょっとは良いとこ行ってるんじゃないだろうか……って言う儚い希望があるのか何なのか分からないですが、ゲーム途中でお通夜気分にはならずにすみました。割としょっちゅうあるんです、あ、このゲームもうここで何が起ころうが絶対トップと2倍以上の点差でぼろ負けするわーって言うゲーム。うまいこと隠蔽されていてそれが分からない、なので最初のプレイは結果ボロボロだったけど、そこまで気分は落ちずにすみました。

 で、その時に出会ったアイツがいるんですよ。

 

 クマムシが。

 

 クマムシ。知ってますか?

 私はたまたま知ってました。クマムシ研究家の堀川大樹氏が生きものオンリーイベントいきもにあ』に出展されていたからです。何でも、いきもにあでクマムシ1000匹を食べたそうですが、無味だったとか…………。とにかく、そんなマニアックな生き物をカードにするテラフォーミング・マーズ。おかしいだろ。

 残念ながらテラフォのクマムシは1アクションで1個生物資源が乗って、4つで勝利点1点。めちゃ弱!!!!! 結局あんなにかわいいのに、まだ一度も使ったことはありません。そりゃそうだよね、普通鳥類とかペットとか捕食獣とか使うよね……1資源1点だもんね……。買わないよね……。

 

 さて、私のテラフォはそんなデビューだったのですが、ボドゲ仲間で同人つながりのケンさんがテラフォにはまっていて、春ゲムマかテラフォの攻略本を作りたいという話をされていたので、じゃあ春のゲームマーケットは隣接で取ろうぜ! とかなんかそんな話をしてた気がします。正直この本に関して何かをした記憶はないんですが(笑)一度テラフォはプレイしてるので、テラフォなら一緒に遊べるで! やったことあるで! って話をしたら何か混ぜて戴けることになりました。

 ケンさんはぶっちゃけCIV重ゲー大好きぶん殴り系ゲーマーなので、戦争物をやらない私とはなかなかゲームの趣味が合わないな~でも遊びたいな~と思っていたのですが、せっかく一緒に遊べるゲームがあるのだから一緒に遊ぼう! とご一緒させて戴くようになりました。ついでにお泊まりボドゲ会をしたりボドベキューしたりね! いやボドゲだけじゃなくてアウトドアを楽しむ仲間が出来たのもテラフォのおかげです。多分。ウソですけど。いやウソじゃないかもしれない。とにかくボドゲの後のバーベキューは最高だぜヒャッハー! 肉うめぇ。

 それはともかく、一緒に遊ばせていただいたメンバーがめちゃくちゃ恵まれてたなあ、と今にしてみると思えるんですよね。テラフォ本メンのみなさん、5グリドラフトで初心者フルボッコにするようなプレイングする人たち一人もいませんし、もちろん皆テラフォはめちゃくちゃいっぱいプレイしてるのでカードの内訳やら何やら知悉しててこちらは勝てる訳もないのですが、それでも自分が大分盤面を見られるようになってる事に気付いていたのでした。じわじわテラフォが面白くなってきたのがこの頃です。みんな優しい。

 後テラフォって感想戦するのがめちゃくちゃ楽しいんですよね。それに気付いたのもこの辺です。

 一緒に遊ぶ人、大事。

  

 ところで、テラフォーミング・マーズって、全くもって自分が好きになりそうなゲームではなかった、という話は最初にしたのですが、やってもやっても、何故このゲームが私にこんなに刺さったのか、今ひとつよく分からない。遊んだ方なら分かるかと思いますが、メカニクス的な点での斬新さ、何にもないんです。私がゲームを評価する時の指針にするような要素、敬愛するゲームデザイナー、ライナー・クニツィアのゲームのような有機的にルールが絡み合う美しさとか、フリーゼの既存のシステムへの問題提起を含んだ革新的なルールとか、をこのゲームには未だに何一つ見いだすことが出来ていません。何がどう違うのか、さっぱり分からない。もちろん買っちゃうくらい面白いのは間違いないんですが、ルールを説明しただけでほら面白そうでしょ! って言うのは特になかったです。うーん。

 更に更に、このゲームって、ゲームとしてジャンルを説明しづらいタイプのゲームですよね。拡大再生産としか言えない。一応エリアマジョリティの要素も少しあるし(褒賞関連)、拡張のコロニーズに至っては露骨にワーカープレイスメントじゃねえか! って思ってるのですが、結構重要だけどゲームの核の部分ではない、美味しいところをつまみ食いしたようなルールなんですよね。

 実はこれで助かってる部分も個人的にはままありまして、自分はものすごくエリアマジョリティがコアシステムのゲームが苦手で、だいたいどんなゲームでも基本手元しか見てないし、まあまあ情報が多いゲームだと他のプレイヤーの動向とか全く見ないし(見てる余裕がない)、盤面見てどうこうって言われてもその場のその状況しか見てないので3手先を読むというのが全く出来ない。なのでアブストラクトゲームもとても苦手です。更に、エリアマジョリティだとここは絶対取られたくないって言う1点に他を捨ててでもリソースを過剰に集中させてしまうため、思考的にプレイングが成立しないレベルのゲームになっちゃうんです。ですが、テラフォーミング・マーズのエリアマジョリティ要素は重要だけどおまけなので、余裕がある時にそろそろ褒賞考えないとね! 何取ろうかな、あれが、これが、って後から考えられるのがとても気楽で個人的には遊びやすいんですよね。しかも自分の企業や盤面の特性で先に狙っておきたい/取りやすいものは、盤面とりあえず置いといてもさっさと取っちゃってもいい。個々の要素があんまり得意でなくても、優しく遊べるゲームだなと思ってます。まあでも称号/褒賞1個も取らないと勝つのは難しいので、初めて遊ぶ人にはその辺の話はしたいなあと思います。テラフォをインストする機会はあんまないですけど。

 また、私はポイントサラダ的な情報量が異常に多いタイプのゲームがかなり苦手でして、脳の処理能力がオーバーフローを起こししちゃうんでそれ系のゲームをやると完全にお通夜になるんですが、今のところそこまでめんどくせぇぇぇえ無理ィィってなったことはないのが不思議です。

 電力くらい構造がシンプルなゲームなら全然問題ないのですが、例えばアイルオブスカイとかファーストクラス、ダイスフォージくらいになると脳がオーバーフローをおこしてもうダメです。そうそう、キートゥーザロンドンもダメでしたね。どのアクションが最適解か全く分からない。「どれも全部強いよ!」って言われても、強いアクション全部端から端まで打てば勝てるなんてことはないので当然ですが。ちなみにそういうのは慣れであり、慣れれば何とかなりますよ、とある人に言われましたが、仕事でゲームに関わっている訳ではない以上、別に無理に慣れて幅を広げなければならないという義務は全くない(そんなことしたらゲームそのものが嫌いになってしまう)ので、気持ちよく楽しくなれるゲームばかりを遊んでしまうのは道理というものです。

 だから言われた訳です。「テラフォって別に全然シンプルじゃないよね?

 おう、せやで。

 参照タグはいっぱいあるし、勝利点を取るにはマップも見なきゃいけないし、称号だの褒賞だのTRだの色んな資源だのがいっぱいあるし、参照情報は相当多い。

 しかしこの情報の多さも、資源は全部お金に換算出来る、自分の企業なり盤面なりカードなりから得意な称号or褒賞をさっさと取って方向を絞っていける、TRの伸びが実質収入増につながるので、基本は全部お金! つまり火星でも、金が正義の資本主義バリバリの世界なのだ……。実際、ラウンドの最初に配られるプロジェクトカードも、無料でもらえる訳ではなく、欲しいものは全部お金で買わなきゃならん。無駄なカードを抱えている余裕は皆無。1枚3メガクレジット(以下めんどいので金)でカードを買って、標準プロジェクトを使って1金で売るのって非常に無駄なアクションなのです。まあ最終ラウンド直前などで他プレイヤーのアクションの様子を見たい為に一枚ずつ売る、みたいなやり方もあるようですが、基本的には、やらない方が良い。テラフォーミング・マーズは全体がお金マネジメントゲームとして構成されてるからあんまりややこしいと感じないのではないかな、と何となく思いました。今。書きながら考えてるからね。仕方ないね。

 

 話戻して。テラフォーミング・マーズは拡大再生産ゲームです。

 カードをプレイして、その効果を適用してガンガンリソースを生み出して、更にそれを使って色々出来るようになるのって気持ちいいんですが、どうもこれも私的に本来相性があまり良くない。ゲーマーは拡大再生産が大好きって誰が決めた。

 拡大再生産ってコストに見合ったパワーを手に入れて、地味に出力を上げていくのが基本だと思うんですが、私一足飛びにパワーアップしたがるタイプなんですよね。ドラクエでいうとラダトームの南6ブロックの山でずっとうろうろして、回復はラダトーム城の光あれオヤジでひたすら回復してお金をケチり、めちゃくちゃお金貯めたらてつのおの買おうかな、と思ったけどはがねのつるぎあるじゃん! じゃあもうちょっと貯めよ、ってうろうろしちゃうタイプです。なので欲しいものには猫まっしぐら一直線なんですが、それでだいたい失敗しますね! 例えば「オーマイグーッズ!」では「ワーカー増やせば強いぜ! ワーカー増やすぜ!」と考えた結果、脇目も振らずワーカーを増やすための資源を集めようとしたけども結局必要資源がロクに手に入らず、最後まで一人もワーカーを増やせずに最下位でしたし、ギズモでは最初に一番上の段のコスト高いカードを取りにいった結果、手に入れたカードのリソースを一度も手に入れる事なく最下位になりました。サルとののしられても仕方ないレベルです。

 この辺、拡大再生産の王様的名作ゲーム「宝石の煌き」は大変よく出来ておりまして、リソースを一足飛びに手に入れることをとことん許さないシステムになっております。点数の付いているカードは同じリソースを複数集めないと取れないようになっているくせに宝石は1種類2個か3種類まで1個ずつしか取れないし。べたべただけど、めちゃくちゃゲームデザイナーの強い意図を感じますよね。こういうとこ、さすがマーク・アンドレ、あんたうまいなと感心するのです。ま別にそんな宝石は好きじゃないですけど。

 で、振り返ってテラフォーミング・マーズを見るに、しゃがんで貯めて出力高いカードを打つのをよしとするデザインになっておりまして、出力高いカードはだいたい強いのでよほどのことがなければ死にカードにはなりません。例外は木星タグのあるカードで、これらは皆全体的に割高になっておりますが、その割にコストパフォーマンスがよくない上に枚数も少ないので*2木星タグで点数変換するカードやサターンシステムズのプレイヤー以外は敢えて買うメリットがあまりありません。なので、あのカードどうしても使いたいからこのラウンドはパス! をしても大丈夫な優しい世界、それがテラフォーミング・マーズ。

 カードの引き運があるのも、むしろプラス要素です。運要素ゼロ、序盤にミスプレイしたらその後ずっとお通夜、みたいなゲームは他の奴らに任せておこう。それは、我らのゲームではないのだから。もしあなたが、運ゲーがゲームをつまらなくすると感じているなら、まだあなたは運要素の強い面白いゲームをプレイしていないだけかもしれない。時代劇3600秒やろ? Impactやろ? 一から十まで全部運やで?

 運要素がつまらないと感じるのは、だいたいプレイヤーが場にコミット出来ていないからであって、場にコミット出来ているという幻想をプレイヤーに抱かせるか、さもなければ運で生まれた結果が場にコミット出来ていないというストレスを凌駕するくらいドラマティックで面白ければいい。おっとこれはテラフォとは直接関係ないですな! でもうまい人が必ず勝つゲームなら、将棋とか囲碁をやれば良いので、うまい人にならなければ楽しめないという努力を強制されるゲームは私はやりたくないです。そういうゲームが好きな人もいて、攻略本を作るくらいファンのいるテラフォーミング・マーズではありますが、そういうことをしなくても十分に楽しめるし、極めたくなったら極めたい人同士で遊べば良いし、極めてももちろん面白い。そういう懐の広さもこのゲームの良いところじゃないかな、と思います。

 

 さいごに。

 話はクマムシに戻ります。

 まさかこの流れでクマムシに戻るとは思っておらんかっただろう、わあっはっはっはっ! 世界の半分闇の世界を与えよう。

 このゲーム、小ネタがめちゃくちゃ凝ってるのですよ。ゲーム中は全く目もくれてなかったんですけど、分かるだけでニヤニヤ出来るので、既にプレイ済みの人もチェックして欲しいし、もっと知らない小ネタをご存じの方はどんどん教えて欲しいですぞ! どや顔で初心者にテラフォの魅力を伝えるためのネタとしてどしどし広めようそうしよう。それくらいのマウンティングは許すぞちこうよれ。

 

その1:金星植物のひみつ

 金星植物というカードがあります。何故かハエトリグサが描かれており、なんでや食虫植物は宇宙クリーチャーっぽいってことかよ! と思ったのですが、調べてみるとあらびっくり。英語だとVenus Flytrapって言うんですよねハエトリグサ。二枚の葉のとげとげを女神のまつげに見立てた事に由来する(ウィキペディア調べ)のだそうです。センスあるな! 宇宙クリーチャーとか言ってサーッセーンした! 英語圏ユーザーはこのだじゃれに笑っていたのだろうか。そもそも、これはだじゃれなのか展。

 

その2:ミープルがいる!

 日本語版だけですが、プロジェクトカード「人工光合成」の右手前の人の腕にまかれた腕章にめちゃくちゃ小さくミープルが描いてあります。(情報提供:ひろさん)

 

その3:アークライトはヴァンパイア

 これも日本語版だけの筈ですが、メディア・グループのカードのビルにアークライトのロゴがあります。ただし水面には映らない。(情報提供:ひろさん)

 ひろさん天才かよ。どうもアークライト版のテラフォーミング・マーズはアートワークに色々手を入れているようです。

 

 最後に。

 こんな私とテラフォで遊んでくれる(そしていじめないでくれた)やさしいみんな、有難う。

 観念して、とうとうテラフォ買ったから、未プレイ組のみんなも遊ぼうな!(それが本分)

 

追加ネタ。

その4:発明家ギルドのひみつ

 そのその1:右下に置いてある箱はテラフォーミング・マーズ

 そのその2:その下に置いてある箱は同じメーカーからリリースされたゲーム「FLEETS」説が濃厚

 そのその3:発明家ギルドに登場する人物は全員、作者Jacob Fryxelius本人である

(情報提供:ひろさん)

 

*1:テラフォーミングレート、火星貢献度みたいなもの。実質勝利点にして収入。

*2:拡張全部入れの場合は別で、木星タグが異常に増えているため、集めないと盤面埋めて褒賞称号全部取っても最下位とか普通にあります。私です。

フォアシュピールに行ってきました(2日目)

 フォアシュピール1日目が終わったあとは、森のコマさんのまみさんをナンパしてれんげ食堂で中華食べてキャッキャウフフしてました。こういうの楽しいっすね。お付き合い戴き有難うございます!

 

 で、2日目です。2日目はフル参加です。しかも原宿! タピオカ! もちろんのんだ! 名古屋にもあるけど辰杏珠

 会場の近くで迷ってたらManifest Destinyのお二人と出会う! テストプレイ会で1度お会いしただけだけど覚えられてました! そんだけ!

 会場は既にすごい熱気。入口はQRコード管理なのでややややこしく手間取っていた模様、しかしめちゃくちゃ時間がかかると言うほどでもなくすんなり入場。1階は重めゲー、2階は軽めのゲームとはなっていたものの、全体的には2日目の方がややゲーマーズゲーム寄りかなと思わなくもない感じです。

 実は両日とも、そこまでワードゲームや大喜利が多かったという印象はなかったんですよね。まあスルーしてたのかもしれませんけども(笑)(笑)(笑)。

 では早速、遊んだゲームをば。

遊んだゲーム

ウィルスとロボの七日間(森のコマさん)

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45-1H級協力ゲーム

 ハイパーロボットの要領で何かにぶつかるまで移動し、カードをめくりながハッカーのアジトを見つけてウィルスを無効化するため協力し合う中量級協力ゲーム。ゲーマー向けと言うことで何故か高難易度に! ヒドイ!(笑)

 ウィルスカードをある程度めくらないとハッカーのアジトが見つからないが、ウィルスに感染しすぎると滅亡、しかもどんどんウィルスはリソースを削っていくので、こまめに治療したいが、一度に出来るアクションはとても限られているので、あんまりちまちま治療しているとあっという間に滅亡の憂き目に……。ひどいトラップがいっぱい仕掛けられているので、引っかかると丸一日のアクションを無駄にしたりする地獄が待っております。つらい!

 ミッションは失敗だったものの、判断ミスがなければ割とギリギリクリア出来たかも、と思わせるバランスだったので、協力ゲー好きと再チャレンジはありかな。パンデミックが好きな人は好きだと思います。奉行対策的なところは正直ちょっと分からなかったけど、一応伏せたカードをこっそり見るアクションでは、カードの中身を直で言ってはいけない、などの要素はありました。

 

アニマルシェ(戸塚工房)

 いつも仲良くさせて戴いている戸塚ニキの新作。実は説明書の校正/構成の段階でがっつり関わっているタイトルのため中身はだいたい知っていたのですが、ワカプレそこまで好きでもないとか、ふんわりかわいいイメージに引きずられていたせいか、あんまり期待していませんでした……(ひどいなおい)。

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テストは2人用なので30分強で終わります。

 それがですね。これめちゃくちゃよく出来てるし面白いんですよ。ワカプレ好きカップルとかに超オススメです(いるのかって言われそうだがうちの周りにそういうご夫婦います)。

 めちゃくちゃメカニクス先行なんで、テーマがケモかよ……って言う人もだまされたと思ってやってみて欲しいです。インタラクションはほどよい感じで、直球の妨害要素はあるっちゃあるけどないっちゃないくらいでストレスレスで、かつソロゲー過ぎないほどよさが歯ごたえアリアリのありなので、苦しくないワカプレをお求めの方に全力でオススメしたい! 斬新さとかはあんまり……だけど、すごく手堅く面白いです。もちろん予約したぜゴリラを。ウホ。

 よく、ワカプレデビューゲーに何を選ぶか、みたいなテーマで作られているゲームあるんですが、これは割と最適解という気がします。win-winの関係が優しい世界。

 試遊ではスタプレ固定で相手がずっとスタプレだったので結構きつかったのですが、相手のミスにも助けられてギリギリの辛勝。これ、ええゲームですよ。

 ただ、ワーカーの操作でプレイミスが起こりやすいので要注意。

 

American Bookshop(倦怠期)

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トリックテイキングですぞ!社長!

 何かずっと違和感あったんですが、英語ならAmerican Bookstoreでは?

 それはそれとしてマストフォローの切札なし変則トリテ。通常のマストフォローに加え、プレイ人数によって変わる閾値を超える数が場に出ると(合計)、トリックに勝ってしまいます。各スートの集めた数でトップを取らなかった色が全てマイナスになる上、手札の残りを集めたカードに追加してもいいししなくても良いので、逆転要素もあるめちゃくちゃ変なゲーム。

 これは絶対的に好きな奴なので即予約しました。カードデザインは今ひとつですが別にそこお金かけなくていいよね的な奴だと思うのでそこは別に評価軸じゃないです。これは身内のトリテ好きとめっちゃやりたいやつですね。

 

ねこマジョ(堀場工房)

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エリアマジョリティがとにかく苦手マン

 猫と聞いて(そこじゃねぇし)。得点源のお魚ちゃんを囲んだ中でエリアマジョリティで取り合うやつです。猫はかわいいんだけど1点取って負けました。ほんとこれ系苦手なんや……。

 エリアマジョリティ好きなら、1個の箱で4つぐらいゲームが出来るので買いかも(違ってたらサーセン)。

 

呪術トリック(ろれるり堂)

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 まーたトリテ。変則トリテ。

 マストフォローノートランプ。でかい数字でトリックを取ると呪われる。2呪いまではOKだが(手札が0点になるけど)、3呪いを受けたとたん1ディール終了。呪いはリードカラーをトリックの最小値でフォローすると解ける。トリックを取りつつ呪いを解除、で手札をうまいこと回していくゲーム。

 遊んでみた感じではゲームの勘所がつかめなくてベタオリして点数が稼げずに終わった為、やや消化不良。ルールの仕組み上、リード時には呪いが解けないのだが、この点が完全には理解されていなくて何度もプレイミスを起こしていたため、トリテ不慣れ勢と遊ぶとゲームにならないんじゃないかという予感がする。呪いを解くというアクションをスムーズに行えるための何らかの工夫が必要という印象です。

まーだだよミステリー もういい貝(もんじろう)

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こんなん絶対分からんわ。

 こんなんもうタイトル勝ちじゃん。ずるいわ。

 マーダーミステリーと引っかけただじゃれ。そのだじゃれだけでゲームを一作作ってしまうってのが流石居椿さんだなーと思いました。なお試遊ではアークライト社員勢に囲まれていた模様……。ゲームと言うよりはアクティビティとしてお子さんと遊びたいタイプのゲーム。何なら海に行って貝殻を拾ったらそれを洗って追加してもいいし。

 

タイムパラトリックス(倦怠期)

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タイムパラトリックス(トリがポイント)

 マストフォロートランプ&ビッドアリアリのアリの変則トリテ。過去今未来の3つのトリックを一度にコントロールするというド変態なゲームです。感覚的にはピココとか、手札のないトリテを想起させる。

 個人的にはこういうクソ変態トリテすごい好きなんですけど、出来ればプレイシートは1枚にして欲しかったですね……もし買うならプレイシートは自前で作ろうかな。

 

白詰草の庭(久遠堂)

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絵がかわいい。

 二人用。中身一緒の相手プレイヤーの手札から1枚引いて、自分の手札一枚追加してプレイの大きさ比べ。4を出した時だけ大小の強弱逆転。
 読み合いはこういうのでいいんだよこういうので! 読み合いゲームのお手本。カウンティング出来ると強いけど、結局は引き運の部分もあり、運要素も適度にある。アブストラクトだと一方的になりがちなので、カップル用にボドゲカフェで置いたらいいんじゃないかな。程よく運要素があって重くない2人用ってジャイプルくらいしか知らんし、そういう(ボドゲカフェカップル御用達的な)定番になってもおかしくないと思う。

「この料理を作ったのは誰だ⁉︎」(レアサイトゲームズ)

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食べ物の組み合わせがカオス。

 Twitterでつぶやいた時にはめっちゃタイトル間違えてた。すみません。

 一言で言うとコードブレイカーなんですが、複数人でいるとドッチがどっちか分からなくなって難しい奴だ! 4人プレイとか地獄しかないでしょw

 一応、相手の好みを当てるための料理を作った時にカオスになる笑いも追求しているのだと思うんですが、意外とそんなめちゃくちゃになることは多くないです。

 

 以上、簡単に感想を終わらせて戴きました。

 終わったあとに戸塚さんとタピったze!

 

イベントそのものへの感想

 イベントとしては運営も不満は特になくて楽しかったのですが、正直かなり落選を出してしまった事もあり、地方民としては、今後参加不参加、地方住まい関東住まいという二極化と分断、格差が生まれる可能性への不安を強く感じました。難しいかもしれませんが、落選したサークルや出展出来ないサークルへの何らかのフォローが必要なのでは? と感じています。ご対応戴けたら嬉しいです。

 また、これはサークル側への苦言ですが、明らかに人前に出てはいけない状態で会場にお越しになっているサークル様や、インスト中のトークで、それは言っちゃいけないんじゃないかなって言うことをつるっと言っちゃうサークル様が複数いらっしゃったことは大変残念に思います。それでゲームを買う買わないに影響するかというと、しないという人も、気にする奴がおかしいという人もいるかもしれませんが、私には影響があったのは確かです。お客さんサイドの方で失礼な人にはお会いしていなかったと思いますので、ちょっと考えてみて欲しいです。

フォアシュピールに参加しました。(1日目)

 フォアシュピールに行ってきたのでレポします。

 何で行こうと思ったのか。それは私がゲムマ前日の有休取得を会社から止められたからだ! くそうくそう! というのもあるのですが、イベントおたくでもある私としては、大変盛況であったこのイベントを一目見ておきたかったのです。予算的にもぎりいけましたし、ゲムマ作家勢とゲームをする機会は、年内あるか怪しかったのもあります。

 初めての会場、幡ヶ谷(はたがや)をはりがやとずっと呼んでいたのは内緒だぞ! 場所が住宅街のど真ん中で、めちゃくちゃ分かりづらくて困りすぎました。トラップかよ!

 私はこの手のイベントに参加する時、有名作をチェックしたりはしないことにしています。一期一会を大事にしたいのです。とはいえ、今回1日目は昼から参加が確定しているため、どこまで試遊出来るかな?

 

 あらかじめ言いますと、あんまり褒めていませんので、該当サークルの皆様にはあらかじめごめんなさいと申し上げておきます。でも削除を求められても削除はいたしません。

 

遊んだゲーム

アイスブレイクゲーム「おひとつどうぞ」(橙華堂)

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橙華堂のブース。ジャックとダニエル……貴様、酒好きだな!

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どうぞおひとつ プレイ風景


 アイスブレイク用ふんわりゲーム。内容はほぼ薔薇と髑髏だが、会話が生まれる工夫をいくつも仕掛けている。相手のカードを取る時に必ず名前を呼ばなければならない為、ゲーマーほどしくじる。メカニクスはほぼ流用だが、アイスブレイクとしてはよく考えられている。

 特筆すべき点はぬくもりある手作りコンポーネント(こう言うの、結構好き)と、何より橙華堂の中の人のインストのうまさ。多分フォアシュピール参加者で12を争うインストのうまさじゃないかと感じた。ホストとしてのもてなしの心を十分に感じられる良い体験でした。

KILL BOSS the GAME(つきのふね)

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悪い上司を(物理的に)こらしめろ!

 一時期メディアに取り上げられたせいでやたら流行った社畜ゲー。悪いボスをボコるために協力する。ダイスを振って様々なボーナスを獲得するが、一度出た目が二度出ると上司のハラスメントを受け、ダメージを受ける。どれかの能力が0になると脱落。集めたボーナスをかき集めてボスを物理的に倒すのだ! 物理的に倒しちゃったら手が後ろに回るのでは????

 それはともかくとして、残念ながら状況に対して積極的にコミット出来ないので(頑張ってダイス目がダブるのを覚悟でアイテムを集めるか、諦めてボス戦に備えるかの選択しかない)運ゲー感が否めない上、HPカウンターが明らかにコスト削減でUIがひどい(写真左側)。そこコスト削るところじゃねーから! ネタ自体も流石にコーン送り付けは笑ったけど、やしろあずき先生がかわいそうなのでやめてあげてください。完全に運ゲーなのだけれど、運ゲーなら運ゲーで、バトルで起こった現象が勝手にドラマになるようなネタの仕込みや仕組みが欲しい。

 インストはかなり凝った仕込みをしていてすごい! と思ったが、肝心のゲームのルールが抜け落ちすぎていてゲーム中に説明されたりして、こんなにふんわりしてていいの? と不安になりました……。

 

八人の魔術師(ゲームNOWA

※写真がぶれぶれで使えるレベルではなかったため、テキストのみです。

 ベテランかぶけんさんの2人用ゲームのリメイク。アートワークもたかみまこと氏のヴィジュアルで生まれ変わり、かっこよくなりました。系譜としてはふるよにやブレイドロンドなどの、固定デッキで戦うタイプの対戦ゲームです(ふるよにやブレイドロンドと違って、二人が完全に同じデッキを使うタイプなので「きょうあくなまもの」の方が近いか。やったことないので知らんけど)。

 実はこれ系のTCGの延長的なゲームが全般的にめちゃくちゃ苦手で好きになれない上、2人用ゲームはめったに買わないので、プレイはさせていただいたのですが、見送りはほぼ確定でした。

 こういうゲームは今ブームが来てる感じがあるので、今リメイクしたのは正解と思います。好きな人はめちゃくちゃハマると思います。システムがとても練られてるのは苦手なりによく分かるので。ただ、やはりカードの内訳覚えてからが勝負って言うタイプのゲームですね。

信仰通貨(HLKT工房)

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信仰通貨

 相場ゲーと聞いて(ガタッ)。信仰がテーマなので、クトゥルフスパモン様もいるよ! 最近金融系のゲームにやたら惹かれるのでプレイ。通貨毎に勝利点の計算条件が異なる5種類の通貨をやりとりしてセットコレクションを作るのですが、条件が他プレイヤーの動向にかなり左右されるので、その翻弄され具合をどう評価するかですかね。お金は1種類ずつしか交換出来ない上、交換した枚数で相場が変動するので、売る枚数も重要。

 めちゃくちゃよく出来てる予感はするのだけど、次プレイした時にこうしよう、ああしよう、という指針が立てられる気が全くしない。

カタラ13(Glory's works)

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髑髏のカードがおどろおどろしい雰囲気。なお髑髏を引くと脱落(脱落した)

 少ない枚数の読み合いゲーといえばRED OUTのGrory's works。正直これ系の「少ない枚数で読み合いギャンブル」系はもう手本引きでいいんじゃないか説まであるので(あと2人用買わない勢)興味はなかったのですが、やらずに評価は出来ないのでせっかくだから赤の扉はないけど遊ばせて貰いました。
 カタラ13は1と2と3が4枚ずつ(だっけ?)の髑髏(脱落)と白紙が2枚の、場にあるカードを引いて出た数字の数だけ交互に宝石を取っていき、ちょうどの数字で最後に残った聖杯を取ったら勝ち(超えるとバーストで取れない、脱落)「数字を言っていき、30を言ったら負け」のヴァリエーションですな。

 各プレイヤーに一枚ずつカードを配り、それを引いてもよいんですが、各手番に1回誰かに質問が出来て、YES/NOで答える。髑髏の人は嘘ついてもいい。みたいなルールで情報を追加する感じです。

 正直相手に質問しても相手のカード引かないとほぼ関係ないしなぁ……とか、場に円形に置かれたカードの方が多すぎて情報増えねえし、初手や2番手で髑髏引くと悲しみに包まれるし、絵はかっこいいけど駆け引きの面白さはあんまりないですね。

 もう一つのお金とライフを奪い合う2人用ゲームは、本当に読み合いしかないタイプのゲームでしたが、これライフとお金分ける意味あったかな? 感あり、正直どちらも好みではありませんでした。

 私自身が読み合いゲーって属人性が高すぎる点があまり好みでないので、その点でもあんまり楽しめないですね。読み合いゲーなら、情報の露出による推理の要素が欲しいかな。

空中都市アーレア(くじらだま)

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バーストの瞬間(ちーん)

 空中都市に探検に行く冒険家達のダイスチキンレース。提示した数だけダイスを振り、小さい数だと先にダイスを振れるのでバーストしにくいが、点数は伸びない……みたいなやつです。ダイスゲーム好きなのでチャレンジ。

 振り直ししたりは出来ませんが、罠カードの状況を見ていくつを提示するか、点数的に勝負をするか引くか、などを考えつつ指を出し、そしてサイコロを振ると言うメカニクスはとてもよく出来ています。これは面白い!

 惜しむらくはロゴのフォントがクソ読みづらいことです。カードデザインはスキ。結構盛り上がるタイプのゲームなので、ダイスゲー好きにはオススメしたい。

TRPG脱出ゲームUREG(アレグ)(遊学芸)

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TRPGのテスプも多かったです。

 TRPGライク脱出ゲーを10分でやりませんかというフレーズに惹かれて座ってみる。能力値はないが一応キャラクターカード的なものはある。謎解き自体は対面だと10分どころか5分で終わっちゃうレベルだったが(自分がTRPG10年選手だったのもあるかも)、オンラインなどでルルブ持ってない若い子にTRPG体験をさせる的な使い方としては需要が期待出来ると思う。おそらく、ターゲットとしては「毒入りスープ」的なゲームを遊びたい層を狙ってるんだと思う。

 クトゥルフ神話TRPGはああいう箱庭クローズドを遊ぶタイムのゲームではないんだけど、クトゥルフじゃなくてよくね? 的な方向でアプローチするのと手も良いのでは。キャラメイクも要らないし。しかも公式シナリオがいっぱい用意されてるの好感度高い。どちらかというとオンラインセッション向け。

 

気まぐれネコのシェフたち(マタタビ茶屋)

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気まぐれネコのシェフたち。ねこの絵はない。

 ねこのシェフが料理を作るので、美味しそうなタイミングでカードを取りに行こう! でも生焼けやお焦げの料理はマイナス点、というゲーム。バースト+読み合いバッティングの系譜なんだけど、正直これ系はめちゃくちゃいっぱい出てるので、差異をうまく出さないと難しいと思うな。

 カードの視認性が悪い(数字が小さいとか)のもよろしくない。絵自体は美しいのだけど、単色カードってデザイン的に難しいですよ。

CATTLE MUTILATION(INVADE.)

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まさかのキャトルミューティレーションがゲームに!(ババァーン)

 今の国産ゲームを遊ぶ日本人ボードゲーマーの好みど真ん中感のあるアートワークの、変則神経衰弱ゲー。ルールを聞いたとたんこれはムリだと思いました。記憶ゲーってかなり神経使うので、ゲーム会終了10分前に遊ぶゲームじゃないと思うんですよね……(笑)。

 体調的に万全な状態でならまあワンチャン遊んでもいいかなと思うんですが、正直記憶ゲーは疲れるんで好きじゃないのでやらないと思います。ごめんなさい(ゲームが悪い訳ではないと思います、純粋な好みです)。

 

 めちゃくちゃ遊んだあとはボドゲ登竜門ですが、これは別途エントリーを立てます。