邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

競りゲー3本勝負その3「袋の中の猫フィロー」

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 今日の漫画はフリーゼの「袋の中の猫フィロー」。競りゲー三本勝負の最終話です。最終話だからちゃんとオチつけないとね…。

 フリーゼのゲームは練りに練りこんだ挙句にわざと雑にしてる部分があるように感じられて、その感じが好きだったりします。

 まあこのメンバー全員SAN値ゼロだと思うので別に発狂したりはしません。

Oh My Goods!(オー・マイ・グーッズ!)


2人~4人

30分前後
2015年~
システム:Alexander Pfister
アート:Klemens Franz
999 Games/Lookout Games/ホビージャパン

☆どんなゲーム?

 カードを使った農村テーマの拡大再生産。トークンの代わりにカードを使って資材を表すローコス仕様が特徴です。

 オーストリアボードゲーム博物館からリリースされた「Royal Goods」が、後にLookout Spieleから「Oh my Goods !」として再販されました。

 

☆レビューとか

 最初ルールブックを見てめまいが起こり、しばらく放置していました(笑)。なんだこのわかりにくいルールは!!! 

 まあ結局、困った時はレビューサイトや動画を見て何とかすれば何とかなるので、何とかして、インストまでやって、初プレイを通してやって、あっ! このゲーム私には無理! グッバイグーッズ、フォーエバーグーッズ! となりました。ノットフォーミー。

 あっ待って下さいけなすレビューじゃないんです!

 でもですね、ゲームとしては実によく出来ているのです。つまらなかった訳ではないのです。私のポンコツ思考回路と致命的に相性が悪いだけなのです。ルールブックが意味不明な文字の羅列でもしルールが理解出来なかったとしても、それを頑張って調べて、遊ぶだけの価値はあると思います。好みはあると思いますが。

 ゲームの内容はいわゆる拡大再生産ゲームです。コンボをうまく組んで得点稼ごう系のゲームなのですが、コンポーネントを無理矢理全部カードにしてしまい、しかもすべて一種類のカードにまとめるという無茶をやったが為にこんな煩雑になっただけで、多分普通にトークンとかボードがあればもっと簡単になったのです。ローコスト化することでゲームとしてのプレイアビリティを損なっているのです。本末転倒です。

 やっぱけなしとるやんけ。

 いやアイコンが小さすぎて老眼勢には割と辛いんですよこのゲーム……。もうアラフィフだし。建物のイラストもっと小さくして、素材アイコンでかくしていいと思うんです。あと1.5倍、可能なら2倍くらいにオナシャス。

 日の出と日の入りに場に出されたカードのアイコンで、建物の生産物が作れるかどうか天運を祈るって言うシステムは結構面白いと思うんですが、それが小さくてですね、みんな覗き込まないと見えない訳ですよ。これはデザインの失敗ですね! いやでもこのシステムは運否天賦感があって楽しいです。うわーとかぎゃーとか言いながら、手札を切って素材を補填したり、そもそも素材がなかったりして何も出来ない。手抜きさえしておけば素材が足りて作れたのに! とか、そういうところをもっちゃもっちゃするのは楽しいです。まあそもそも素材が出てこなかったり手札に回ってこなかったりするんですが!!!! これはリアルのシミュレートとしては成功している。多分このゲームのエッセンスの半分はここ。

 で、残りのエッセンスの半分はカードのコンボなのですが、私はワーカー取るのにこだわりすぎて最後まで一人もワーカーが取れないというお笑い草なプレイングで一人沈んだのでコンボの妙を最後まで味わうことなくプレイが終わったのでよくわかりませんでした! でも、うまいこと手元の建物をつながるように立てて、高いお金を生み出す商品を作れるとガンガン建物を建ててワーカーさんもガンガン雇えるので、そういうところを考えて建物を建てていけば生産わー楽し~! という感じになる筈で、そこをまずは狙っていくゲームなんだってことに気づいた時にはゲーム終わってました。ハッハッハ! 初期建物(全員炭焼き小屋を持っていますが、炭を焼けるのに使う素材が全員違います)と狙ってるワーカー(ワーカーを取るには、カードに書いてある特定の組み合わせで建物を取らなければいけないので、条件枚数少ないワーカーを取ろうとすると同色建物2枚とかでカードが偏る)が必要素材が全く一緒だったりして、何故ばらけさせないのって言われましたがそこで思考が回るならこの手のゲームNfMって言わないんですよね(近視眼的な自分が悪いのでゲームのせいではないです)。

 普通にこの手の拡大再生産の思考に慣れている方なら、この辺のコンボへの思考などのとっかかりは私などより遙かに出来るはずなので、ここはおそらく問題にならない筈です。

 ものすごーくとっかかりが悪いのは半分くらいはカードデザインのせいで、もう半分は確実にルールブックのせいです。でもそこを超えて、あと目が悪くなければ、そして拡大再生産のコンボ気持ちい~! という拡大再生産大好きっ子だったら結構楽しいと思います。カードゲーのふりをした重ゲーという噂通りのゲームでした。NfM。かつ、ノット初心者向け。中級者以上。あとカードのデザインもう少し何とかしろ。

 結論:ぷふぃこわ。

競りゲー三本勝負 その2「メイドギルドへようこそ」

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 メイドギルドへようこそはみさき工房の同人ゲー。

 限られた情報の中で選択権を競るという独特のシステムの競りゲー。しかも、競りを降りられない上にお金を使い切ったら負け! しゃがもうとしてもくろメイドが邪魔をするいやらしさ! カンタンなルールなのにディレンマだらけのいやらし面白いゲームです。相場観も手持ちの上限が決まってるのであまり難しく考えなくて良いところもいいですね。

 今回一番面倒くさかったのはくろメイドにぱふぱふされるハーゴンで、今回描いてて一番楽しかったのはくろメイドマンです。

Azul(アズール)

 

2人~4人

30分~45分
2017年~
システム:Michael Kiesling
アート:Philippe Guérin/Chris Quilliams
Plan B Games/Lacerta/Zvezda/ホビージャパン

 

 これはアズールのレビューのようでアズールのレビューではありません(笑)

 

 世の中には、アズール大好き派とアズール好きじゃない派の二つの派閥があります(

 で、私は、アズールいらない子派です。

 このゲーム、私はそんなに評価していません。

 すごく高いレベルでバランスが取れてて、ゲームとしてのクオリティも高いし見た目も綺麗だしパッケージもすばらしいんだけど(ぶっちゃけ、見た目は好き)、ついでにいうと面白いんですけど、何か、こう、求めてる物がない! でもゲーム会で誘われたらやる、しかも、過去に一度もルールブックを読んでないにもかかわらずインスト出来ちゃうレベルで内容覚えてる(実際に、ルールをほぼ読まずにインストした事がある数少ないゲーム、つまりめちゃくちゃシンプル)何かこう、距離感がよくわからんゲームなのです。

 すごく手堅い超優等生なんだけど、面白みがなく、外連味、新奇性と新規性がないのです。全部既存の何かの組み合わせ。だから、よく出来てるとは思うんだけど、自分では絶対買わないし、中古でも、友達が「俺ボドゲ引退するからさぁ、悟ちゃんだったら2000円で譲るから引き取って大事にして」って言ってくれるくらいのタイミングでないとスルーして人に譲っちゃうレベルです。っていうか実は親とやろうかなと思って買ってみたんですが、結局一度も箱をあげずに右から左に流しちゃいました。何で買ったねん。まあ、よしんば我が家のラインナップに加わっても、ゲーム会にはほぼ持っていかないでしょう。なぜなら、どうせ誰か持ってくるから。嫌いじゃないんだけど、何かこう、求めてるのはそうじゃないんだよなあ、みたいな。そして、私が何でクニツィアのある種のゲームが全く不得意なのに好きなのか、というのもふとわかった気がします。良くも悪くも、アズールはめちゃくちゃ素直なゲームだと思います。私は素直なゲームよりも、千尋の谷に向かってダイブするような(すごい謎の表現だが)とんがったゲームが好きです。

 色々言ってるけど誘われたらやります。でも、初めてでやってみたそうにしている人がいれば、躊躇なく譲って、インストは頼まれたらする、くらいのふわっとした距離感のゲームです。

 ゲームとしての内容は多くの方ががっつり語って下さってるのであまり言う事はないのですが、ガチ勢が遊べばガチゲーに、カジュアル勢が遊べばカジュアルゲーになるタイプの、ある意味万人受けする感じのゲームです。ゆるふわで綺麗なタイルを並べるだけで楽しい人か、ガチガチに読み合ったりするのが楽しい人向けのゲームかなと思います。ただこの両者は絶対混ぜるな危険。

 私は完全に感覚でゲームやるタイプでカウンティングもほぼしないので、いつまでもふわっと50点くらい取って終わるのがわかっちゃってるというのも、あんまりこのゲームに思い入れがない原因かもしれないですね。

競りゲー三本勝負 その1「ビザンツ」

 シブにもtwitterにもアップしてるんで上げなくてもいいかなと思ったのですが、よく考えたらtumblr.にも全然続きを上げてなかったし、ブログに上げちゃえ。

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 ビザンツはレビューも書いてるくらいでとてもお気に入りのゲームで、遊ばせて貰って一目惚れしてすぐ買いました。すごく遊んでるわけじゃないんですが、すっと出してインストもカンタンで重宝しています。おっさんの絵がすごくうさんくさいんですが、あんまりうさんくさくは描けませんでした。残念!

Spyfall2(スパイフォール2)

  

3人~12人

10分~30分
2017年~
システム:Alexandr Ushan
アート:Sergey Dulin

Hobby World/Cryptozoic Entertainment/Jumping Turtle Games/ヘムズユニバーサルゲームズ

 

☆どんなゲーム?

 いわゆるワンナイト派生の人狼系招待隠匿。

・自由に質問できない(右隣だけ)

人狼側(スパイ)はばれそうになったら、自分の正体を先に明かして、キーワード(場所)を当てたら勝ち。

・なので市民側は、相手を探る質問で自分たちの共通キーワード(場所)がばれてはいけない。

 質問をしてスパイを見つけよう!

☆レビューとか

 1はやってないです。6人プレイでの感想です(多人数プレイの感想は他の方を参考になさってください)。未プレイですがルール的には「エセ芸術家ニューヨークへ行く」に似てるかな。絵は描きませんが。

 

 結構きわどい質問をするとばれてしまったりするものの、そんなに簡単にぱっと質問が浮かばず頭をひねるので、8分間は割とあっという間です。途中でスパイがばれれば質問タイムは中断されるため、1回あたりの実質的なプレイ時間は8分よりもっと短くなります。

 人狼の辛いところは嘘をつかなければいけないところですが、このゲームの場合ヒントを出す側も相手に透けないように抽象的な質問になるので、初手で質問される側にならなければ(これは運ですね)、今までプレイした人狼系ゲームと比較するとそんなに苦しくはないな、人には割と勧めやすいなと思いました。

 あと、ゲームマスターは必要ないルールですが、人数多ければ多いほど、あった方がスムーズだなとも。

 好みとはちょっと違いますが、カードのアートワークも優れていると思います。

Die Ritter von der Haselnuss(ヘーゼルナッツの騎士)

 

 

2人~4人

30分前後
1997年~
システム:Klaus Teuber
アート:Gabriela Silveira
999 Games/Asmodee/Goldsieber Spiele

☆どんなゲーム?

 カタンのクラウス・トイバーが作ったキッズゲーム。描くコマに伏せられたカードに隠されたヘーゼルナッツを自陣のゴールに運び込みつつ、中に混じっている盗賊カードを記憶しておき、誰ががそのコマに止まったら、記憶している盗賊カードの名前を一番早く叫びます。言われた側はヘーゼルナッツを奪われるので、しっかり自分の止まったコマを記憶しておかねばなりません。

 大人と子供が交じっても楽しめる、記憶+すごろくゲームです。

☆レビューとか

 子供向けスゴロクと申しましたが、すごろくのガワをかぶったガチ記憶ゲーム。ガチゲーですが、記憶力に関してだけ言えば子供の方がよかったりするので、大人と遊んでも多分大丈夫。ぶっちゃけ、ヘーゼルナッツそっちのけで盗賊の名前を連呼するゲームと化します。一生懸命覚えていても、自分もコマを移動していくうちにだんだんごっちゃになってきて、アレそこ止まったけど覚えてない、なんだっけ、とか言ったりするのを楽しむ感じのゲームです。

 好みからは外れますが、子供と大人が混じって、対等に勝負できるという点で優れていると思います。大人同士でやるとあやふやな記憶に悲しくなってくるけどな!