邪教の大神官は二度ノックを鳴らす

ボードゲーム関連ブログ。だいたいレビューと感想。本家ウェブサイトはhttp://tantramachine.com

Junk Art(ジャンクアート)

2人~6人

30分前後

2016年~

システム:Jay Cormier/Sen-Foong Lim
アート:Chris Quilliams
Pretzel Games/ホビージャパン

 

◇どんなゲーム?

 現代アートの作家になって、各都市を回りアートフェスで即興アート作品を作り上げてファンを獲得し、ファンが最も多いアーティストが優勝するというバランスタイプのアクションゲームです。

 回る都市によって異なる勝利条件と、使用するパーツタイルの奇っ怪で美しい色形がプレイをよりカオスにしてくれることでしょう。

 インスタ映えと笑いが起こる楽しいパーティゲームです。

◇レビュー

 基本はオブジェをカードの出てくる順番に積み上げるバランスゲームです。が、毎回ルールが変わるので新鮮な気持ちでゲームが出来ます。

 とにかく早く積むのが有利だったり、高く積むと得点になったり、共通の土台にみんなでパーツを置いていったり、崩したら失格だったり、崩してもマイナス点が付かなかったりと(わざと崩すのも一つの作戦になったりします)その都度基本ルールも対応策、戦略も異なるので、バランスゲーが苦手な人以外なら楽しめるように作られています(かくいう私もスピード勝負でパーツを探して積むやつはめっちゃ苦手です……)。

 邪魔するために無茶な積み方をするもよし、他プレイヤーに嫌がらせのようなパーツカードを渡して積ませても、安全パイを取ってもいい。いや、いっそちょっとテーブルが揺れて崩れても笑えちゃいます。隣のプレイヤーから丸いパーツが渡されてきた時とか、十二分に積みまくった後で薄く平たいパーツが渡された時の楽しさ。このゲームは完全に、過程を楽しむタイプのゲームだと思います。

 出来たオブジェがホントのアート作品に見えてくる瞬間があったりして、つい写真を撮りたくなるフォトジェニックな要素もあるし、勝っても勝てなくても笑える、子供相手でも大人相手でも十分楽しめる良いゲームです。

 バランスゲーが苦手な人にはホントごめんなさいなのですが、バランスゲーが苦手でないなら、勝てなくても楽しいので是非チャレンジして欲しい傑作ゲームです。

 海外版だとオブジェが木で出来てるみたいですが、木で出来てる方が安定しなさそうで、それはそれでプレイ感が異なって面白そうです。色もカラフルで楽しいし、パーツの形も製作者の悪意をふんだんに感じ取れるイカスデザインだし、高さ勝負の時に高さ比べ用に付属しているメジャーとか、もういちいち何もかもがゲームの楽しさに向けてデザインされている感じがたまらんです。ジャンクパーツでアートしようぜ! っていうテーマもめっちゃ現代アートへの悪意感じるし、そのくせ作ってる内に愛着湧いてきちゃうし。

 敢えて言うなら、このゲームはパーツが転がりまくるので、ゲーム終了時にパーツの紛失をしていないかのチェックがほぼ必須と行っていいです。せっかくのゲーム、なくしたら悲しいのでちゃんと数えてからしまいましょう。お片付け、大事。

Codenames(コードネーム)/Codenames: Pictures(コードネーム:ピクチャーズ)


2人~8人

10分~20分

2016年~


システム:Vlaada Chvátil
アート:Stéphane Gantiez/Tomáš Kučerovský
Czech Games Edition/MINDOK/Bergsala Enigma/ホビージャパン

 

◇どんなゲーム?

 2つのスパイ陣営に分かれ、リーダーから与えられるヒントで、コードネームから素早く味方スパイを探しだそう! 場札派共通なので、間違って相手の陣営のカードにアクセスすると相手に利してしまうぞ! また、一人だけ紛れている暗殺者にアクセスしてしまうと、どんなに味方スパイを見つけていても即負けだから注意しろ!

 2016年ドイツ年間ゲーム大賞受賞作!

 

◇レビュー

 私はこのゲーム好かん。ほぼNfM。(その前提で読もう)

 っていうか、赤ポーン(その略し方はどうなんだ)、地雷多いんですよ……。プロフィールにも書いてるんですが、カタン、ブラフ! キングドミノやディグシット、アズールもあんま好きじゃないし……。ああ、アズールは地雷って程ではないですがあんまり……。

 私のコードネーム初プレイは、いきなりピクチャーズとコードネームを混ぜたバージョンでプレイしたのですが、単体の方が良かったかなあと思っています(その後、コードネーム単体だけでも遊んでいますが)。ピクチャーズ遊びづらいわ。

 広めのテーブルでやったので、端っこの絵が視認しづらく何描いてあるか解りづらくで(近くで見ると解る絵)老眼勢には辛いです。あんま広いテーブルでやらなければいいだけの話なのですが、この手のゲームで絵柄の視認性ってかなり重要なので、一枚そういうカードがあるだけでプレイへの没入感を大幅に阻害する。つらい。少なくとも、ピクチャーズはカード大きくして下さい。お願いします。→(追記:コードネームのXXLサイズ版が出ました。この感じだとピクチャーズもXXL版出そうですね)

 また、リーダー役になった場合ヒントを出すのがすごく難しくて、どうしてもダウンタイムが長くなりがちなんですよね。そこもたるいし、いざ自分がリーダー役になった場合、ヒントがうまいこと作れなくて相手を待たせてるプレッシャーがすごく辛くて、もうその時点で楽しくないんです。

 このゲーム、更に、奉行問題が頻繁に発生するタイプのゲームです。チームメイトが親しくなければないほど、最初に発言した人やら慣れてる人やらのソロプレイになりがちだし、相談内容を堂々と相談しづらい(相手のヒントになりかねないので)。

 まあ私初プレイで奉行やられてその人のソロゲーになった回があるので、もうあんまやりたくないし、自分がいざ一緒に初対面の人と遊んだ時も、相手が遠慮してそれでいいって言われちゃったりして、チームプレイって言う感じにしにくいなー、という感じがしたので、初対面の人とやるタイプのゲームでは、少なくとも、ないですね。仲のいい人とだけボドゲするならいいと思いますが、ボドゲカフェで遊びたくはないです。

8/4の気になるボドゲ界隈まとめ

パンデミック10周年記念版についてZ-MAN GAMESよりFAQ

www.zmangames.com
 日本語版も出るってよ!

◇緊張感に満ちたチェスの試合で、プレイヤーが見せた「苦悶」の表情・12選

wired.jp
 どの写真もすばらしいのでぜひ見て欲しいです!

◇ペーパーマリオ人狼⑤19人探偵村-Part4

www.nicovideo.jp
頼むから指定忘れで吊られるんじゃねーぞ!!!!!(その展開はその展開で見たい気がする)

Century: Spice Road(センチュリー:スパイスロード)

  • 2人~5人
  • 30分~45分
  • 2017年~
  • システム:Emerson Matsuuchi
  • アート:Fernanda Suarez
  • Plan B Games/ABACUSSPIELE/Asmodee/アークライト

 ◇どんなゲーム?

 15世紀の貿易商となってスパイスを交易し、より高い得点を稼ぐゲーム。場に並んだカードを取得して、手持ちのスパイスをより価値の高いスパイスに変換し、高得点のカードを手に入れましょう。

 場に並んだ変換カードを入手する為に、山札に近い位置のカードはコストがかかるため、手元のスパイスを使って欲しいカードを取りに行くか? それとも他のプレイヤーがカードを取るまで待つか? というジレンマや、得点カードの取得時に、一番手前のカードを手に入れるとおまけの勝利点コインが付いてくるので、如何に効率よくカード類や勝利点を手に入れるかが悩ましいゲームです。

 ジャンル的にはデッキ構築&ハンドマネジメント&セットコレクションといったところでしょうか。

◇レビュー

 「宝石の煌めき」としょっちゅう比較される本ゲームですが、プレイしてみての感想は「言うほど似てない」でした。また、宝石の煌めきが好きな人には合わないかも、とも言われましたが、私はどっちも楽しめました(でもセンチュリースパイスロードの方が好き)。

 リソースをやりくりしつつアップデートしたり増やしたりこねくり回したり、別にそんなに要りもしないカードを、上に他のプレイヤーが置いていってこんもり乗ったスパイスを補充するためだけに取ったり。デッキビルディング系のくくりではありますが、ドミニオンなどの様に要らないカードを圧縮する必要、最低限のカードのみを取得する必要はないです。使わなければ別にずっと持ってるだけでも手番を邪魔したりはしないし、そもそもカード破棄という概念がありません。

 どちらかというと圧縮したり増やしたりしなければいけないのは、リソースであるスパイス。価値の高いスパイスが価値の低いスパイスの代価にならないため、ちょうどいいところに調整する為のカードをあれこれしたりするのがもどかしくも楽しいです。

 アートワークも「らしい」感じで好みです。美しいグラフィックですが、ゲームのテーマやシステムに従属している洋ゲーのアートワークって、単独ではあまり評価されないんですが、このゲームのアートワークはまさしく王道のそういうアートワークで、アートワーク偏重のアジアゲーじゃない感じが私的には好きなんですよね。アジア的アートワーク偏重型が駄目な訳ではないのですが。

 カードがめっちゃでかいので対応スリーブ探すのが一苦労だったりしますが、ずっと末永く遊んでいきたいゲームなので頑張って手に入れましょう。何言ってんだ。あっ私はゲームストアバネストさんで買いました。

 三部作シリーズも既に2作目のセンチュリー:イースタンワンダーズが出たことですし、こちらも傑作ですので(こちらとあわせて遊ぶことが可能です)両方買いましょうそうしましょう(お目々ぐるぐる)。

8/3のボードゲームなんか気になる話

ボードゲームプレイ時の喫煙についてのアンケート


 私は絶許ですね。

  • ゲームにたばこの臭いが付く
  • 万が一でも灰が落ちて焦げ跡が付いたら台無し
  • そもそもたばこ嫌い

 ただでさえ、飲み物を横に置いてゲームするのも抵抗あるのに、たばことなれば更に……。

◇C94の電源不要ゲームジャンルの宣伝まとめを作ります。


 まあ自分の宣伝でもあるのですが!
 #C94電源不要新作宣伝 のハッシュタグを付けて下さったらRTしてまとめますので、ぜひぜひ出展予定のサークル様はこのタグも付けてつぶやいていただけるとまとめやすいんで宜しくお願いします!

FGOボドゲのなんやかんや

togetter.com
 はちま引いてるのはどうかと思うけど、実際遊べないっぽいので微妙ですね。いい商売だわ。
 TL見てみた感じだとフィギュア目当てで買ってる層が多そうなので、ゲームやろうと思って買ってる層は少数派なのかも知れない。
 私はソシャゲの類いは全く興味が湧かないしすぐ飽きるのでやりませんが(パズドラがバズる前に飽きて辞めたくらい飽きっぽい)、えげつねーなーと思いました。前者と後者が上手くマッチングしたら意外と幸せになるのかも知れませんが。

SIREN人狼 神殺しの村

www.nicovideo.jp
 一番好きな人狼シリーズなので復活嬉しい~~~~~~~~~!!!!!
SIREN人狼マイリス
www.nicovideo.jp

Dicey Goblins(ゴブリンとドラゴンの卵)

boardgamegeek.com
bodoge.hoobby.net

3人~6人
20分~45分
2016年~
システム:Steve Ellis/Tyler Tinsley
アート:Jacqui Davis/Anita Osburn
Renegade Game Studios

◇どんなゲーム?

 ゴブリンになって、ドラゴンに気づかれないようにドラゴンの卵を盗み出せ!
 ダイスを振って出た目を、取って戻るか、更に進むかの二択。
 袋からダイスを毎ターン取り出すので、金・銀・銅・赤どのダイスが出るかは運! 赤いダイスを取ればトップ目プレイヤーから卵を奪えるぞ!
 楽しいチキンレース系ダイスゲームです。

◇レビュー

 インカの黄金をダイスゲーム化した感じ、というと雰囲気が解って貰えると思いますが、インカの黄金と違って、一人抜け出来た場合でも全部の卵(さいころ)が貰える訳ではないところや、赤いダイスで出た目はトップ目のプレイヤーから得点を奪えるなど、インカより勝ち逃げしにくい独特のバランスになっています。ドクロダイス3つが出ると冒険が失敗になりますが、場合によってはダンジョンに潜らず初手で逃げても得点が(1点は)貰え、2投目くらいのタイミングでさくっと探索失敗になる事もあり、プレイ感はかなり異なります。
 インカの黄金で少人数だと微妙なプレイ感になってしまいますが、そこまで人数集まらない状況でのプレイが多いのであれば、こちらの方がプレイ感軽く、いつ失敗するかの緊張感がより強いのでオススメです。

・ダイスゲーが好きな人
・比較的少人数対応
・バースト系
・さくさく遊べる
 と言うところに魅力を感じる方ならこっちがいいと思います。

Riddle of the Ring(指輪の謎)

 多分、人生で初めて買った、パーティ系でない本格的なボードゲームについて。

2人~8人

120分前後

1982年~

システム:John Califf/William A. Walker
アート:Rick Britton/James Holloway/Jessica Ney
Fellowship Games/ホビージャパン/Iron Crown Enterprises

 

◇どんなゲーム?

 あの名作「指輪物語」をボードゲーム化! プレイヤーは2陣営に分かれてヘックスマップを移動し、都市でカードを取得しつつ戦力を確保。他のプレイヤーと戦争したりなぞなぞを仕掛けたりして、指輪カードを奪取し、ホビット陣営は滅びの山へ、黒の乗り手陣営はバラド・ドゥアへ指輪を持ち込めば勝ち、というゲーム。

  めちゃくちゃおおざっぱに言うと、陣営あり、殴り合いありのマップのあるばば抜きです( 

 

◇レビュー

 一言で言うと、光と闇の軍勢に別れて指輪を取り合うゲーム(ただ実質このゲームは一人勝ちルールだったような記憶もあって曖昧です……チーム戦のようでチーム戦ではなかった記憶)。

 実は高校生くらいの時に遊んでめっちゃ惚れ込み、速攻買ったんですが、指輪のカードがすぐボロボロになって一目でわかるようになってしまったので捨ててしまいました。もったいない。今ならスリーブ必須ですね。とはいえ20年以上前のゲームで既に絶版なので、オクで手に入れるしかなさそうです。(海外でこのゲームを再版したらしい的な情報を手に入れましたが、詳しい事はちょっと解りません)

 カードの取り合いは戦闘かなぞなぞ(という名のカード当て)か、キャラクターカードの効果によるカード抜き(指輪を盗む専用の「ゴクリ」カードも!)なので、ご立派なボードがある割には(もちろんボードは必要なのですが)プレイ感がちょっとばば抜きっぽいところもあって、そこが当時中学~高校生だった自分には取っつきやすかったのかなと思います。ルール的には決して難易度が高いゲームではないです。

 まあ、今にして思えばベタなアメリカントラッシュであり、非常に雑なゲームだったなーと思うところもあります。何せ、初手で指輪と、好きなところに移動出来るカードを手に入れて、いきなり滅びの山に飛び込んで勝ったことがあったので。その時はプレイ時間10分くらいだった!(笑)

 今でも欲しいけど、上記の理由で美品でないと手が出ないですね。流石にもう1万円では手に入らないでしょうし、再販の見込みもなさそうです。言語依存もかなりきついので、英語版を手に入れようという気は流石に起こりません。